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#548 「桑名市事件」名古屋地裁

2021年10月20日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第548号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【桑名市(以下、K市)事件・名古屋地裁判決】(2019年3月28日)

▽ <主な争点>
超過勤務時間のうち15分未満の切り捨て処理された時間と未払賃金請求など

1.事件の概要は?

本件は、XがK市に対し、医師会と同市との間で締結された業務委託契約に基づいて診療業務に従事した際に所定労働時間を超えて労働を行ったにもかかわらず、労働時間を適切に管理せず、かつ、超過勤務に対する賃金につき15分未満の超過勤務を切り捨てて支払っていたなどと主張して、主位的に不法行為に基づき、未払の超過勤務手当に相当する損害28万1329円およびこれに対する遅延損害金の支払を、予備的に労働契約に基づき、未払の超過勤務手当6381円およびこれに対する遅延利息の支払を求め、不法行為に基づき慰謝料150万円等の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<K市と医師会との業務委託契約、Xについて>

★ K市は、平成15年4月、医師会との間で地域医療の一環として行う応急診療業務について、業務委託契約(以下「本件業務委託契約」という)を締結した。本件業務委託契約は医師会が所属する会員を代理してK市と契約を締結したという形式をとっている。

★ Xは、開業医であり、本件業務委託契約に基づき、平成16年からK市が運営する診療所において、当番医として応急診療業務(以下「本件当番勤務」という)に従事していた者である。

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<XとK市との労働契約、労働時間の把握等について>

★ 当番医としてのXとK市との間の本件当番勤務に係る契約は労働契約(以下「本件契約」という)であるが、契約締結に際して契約書を作成することはなく、同市が当番医に対して直接労働条件を説明することもなかった。

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