#21 「朝日新聞社事件」大阪地裁
2004年1月14日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第21号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 【朝日新聞社(以下、A社)事件・大阪地裁判決】(2000年1月28日)
▽ <主な争点>
覚醒剤使用で逮捕されことによる年金停止
1.事件の概要は?
本件は、A社を定年退職後嘱託として勤務していたXが、覚せい剤取締法違反の嫌疑で逮捕され、同社から懲戒解雇を受け、定年後5年間支給される年金の受給資格を取り消された。これに対して、Xが年金の受給資格を取り消す根拠はないとして、A社に年金の支給を求めたもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<Xについて>
★ Xは、昭和43年1月、A社に記者として採用され、平成11年3月に定年退職するまで従業員であったが、定年後は11年6月に解雇されるまで同社の嘱託として勤務していた者である。
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<A社の年金制度の改定、Xの逮捕、懲戒解雇等について>
★ A社には従来、60歳の定年後、「定年給」が2年間支給される制度が存在しており、定年給・年金支給規定には「定年給受給者に不都合な行為があった場合は、その支給を停止することがある」との条項が置かれていた。
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