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#531 「新日本建設運輸事件」東京地裁(再々掲)

2021年2月17日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第531号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【新日本建設運輸(以下、S社)事件・東京地裁判決】(2019年4月25日)

▽ <主な争点>
解雇の通知と退職合意の存否など

1.事件の概要は?

本件は、S社との間で期間の定めのない労働契約を締結していたAら3名が平成28年6月25日付で普通解雇されたが、この解雇は無効である旨を主張して、同社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、解雇後に生ずるバックペイとしての月額給与および遅延損害金の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<S社およびAらについて>

★ S社は、一般貨物自動車運送事業等を目的とする会社である。

★ Aは、平成24年9月に、Bは同年4月に、Cは、25年1月にそれぞれS社との間で期間の定めのない労働契約を締結し、28年6月20日までトラック運転手として勤務した者である。なお、Aらの業務は製造されたアスファルトや砕石等をトラックにより各工事現場に運搬するというものであった。

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<本件各解雇に至った経緯等について>

▼ Aらは他の職員らとともに、28年3月よりS社とベースアップの交渉を行っていたところ、同年5月、同社代表者Xは従業員のYより「Aから何度も賃上げ交渉に加わってほしいとの勧誘を受け困っている」旨の連絡を受けたことなどから、交渉の経緯等を含めて、Aらの不信感を強めた。

▼ 同月26日、X代表はあらかじめAらの解雇通知書等を作成した上で、直接交渉に臨み、解雇通知書等を取るのか、それともこれまでの行動を謝罪するとともに、これまでの交渉を全て白紙に戻すのかのいずれかを選択するように委ねた。Aらは全員分の解雇通知書等を手に取り、部屋を出た(以下「本件各解雇」という)。

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