#294 「大隈事件」東京地裁
2011年9月21日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第294号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 【大隈(以下、O社)事件・東京地裁判決】(2011年2月7日)
▽ <主な争点>
店舗閉鎖を理由とするアルバイト店員の整理解雇等
1.事件の概要は?
本件は、コンビニエンスストアのアルバイト店員であったXが同店を経営していたO社に対し、店舗の閉鎖を理由とする整理解雇は無効であると主張して、(1)雇用契約上の地位の確認を求めるとともに(2)解雇日の翌日からの賃金元金等の支払いを求めたもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<O社およびXについて>
★ O社は、不動産の賃貸および管理業、損害保険の代理店業、飲食店の経営ならびに仕出しおよび出張料理サービス等を業とする会社であり、コンビニエンスストアam/pm品川駅東店(以下「本件店舗」という)、元赤坂一丁目店等を経営していた。
★ Xは、平成16年8月、O社との間で以下のような内容の雇用契約を締結した。
1)業務内容・・・店におけるレジ、接客、販売管理業務
2)就業時間・・・交替制(午後10時~午前9時または午後9時から午前8時)
3)就 業 日・・・シフト制であり、定まった就業日、就業日数はない。
4)休 暇・・・年次有給休暇については、6ヵ月継続勤務した場合、1日
5)時 間 給・・・午前0時~午前9時 1100円
午後5時~午後10時 850円
午後10時~午前0時 1100円
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<本件解雇に至った経緯等について>
▼ O社は17年4月、本件店舗の人件費削減のため、時給の発生するアルバイトに替えて臨機応変に対応できる正社員を2人から3人に増やす人員配置を行った。
▼ O社は同年10月20日、am/pmとの間で同年11月30日をもって本件店舗に関するフランチャイズ契約を解約したい旨の申入れをし、同月25日、解約合意書を取り交わした。
▼ O社はXとの話し合いにおいて、本件店舗の閉鎖に伴い、Xが元赤坂一丁目店で勤務したいのであれば、夕勤シフトがある旨を打診したが、夜勤シフトでの勤務を希望していたXはこれを拒否し、結局、一旦本件店舗を退職した上で、元赤坂一丁目店の店長面接を受け、欠員が出るまでの間、同店のスタッフ登録をしておくことについて合意した。
▼ O社は同年10月23日から同月30日にかけて、順次、A店長を通じて、Xを含む本件店舗の従業員に対し、競合店ができたことや家賃が高いこと等から本件店舗の経営状態がよくないため、同社がam/pmとのフランチャイズ契約を終了させて本件店舗の経営からの撤退することとなったこと、よって、アルバイト店員全員を解雇せざるを得なくなったことを説明し、解雇予告通知書を交付した。O社はXに対しては、同年11月30日をもって解雇する旨を通知した(以下「本件解雇」という)。
3.元アルバイト店員Xの言い分は?
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