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#121 「太平洋セメント・クレオ事件」東京地裁(再掲)

2006年1月25日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第121号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【太平洋セメント(以下、T社)・クレオ(以下、C社)事件・東京地裁判決】(2005年2月25日)

▽ <主な争点>
出向先企業での配置転換命令の効力/損害賠償(不当処遇)

1.事件の概要は?

本件は、T社の管理職であるXが出向先のC社において、単純作業を担当する部署に配置転換(以下「配転」という)されたのは、Xが退職勧奨や他社への出向に同意しなかったことに対する嫌がらせであるとして、C社に対し、当該配転命令の無効確認と当該配転命令にしたがう労働契約上の義務がないことの確認を求めるとともに、T社およびC社に対し、慰謝料等の支払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<T社、C社およびXについて>

★ T社はセメント製造等を目的とする会社である。

★ C社はT社の100%子会社で、土木建築関連業等を目的とする会社である。

★ Xは電子機器会社の品質管理部門を約15年間経験した後、平成2年、T社の前身であるA社に入社した。その後のXの主な経歴は以下の通りである。

2年3月 セラミックス事業本部品質保証課サブマネージャー
4年5月 同本部製造部電子部品製造生産技術マネージャー(部下5名
6年3月 同本部光部品製造課マネージャー(部下15名
9年7月 H社へ出向
10年8月 K社生コン工場工場長(部下4名
11年10月 C社テクノサポート事業部ISO担当マネージャー(部下なし)
15年3月 C社教育事業部通信教育担当へ配転(以下「本件配転」という)

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<Xへの退職勧奨および本件出向について>

▼ 11年5月から6月にかけて、全社的に早期退職制度が実施される中、K社の工場に勤務していたXはT社から退職勧奨を受けた。

▼ 14年9月、XをG協同組合技術センター長へ出向させること(以下「本件出向」という)の可否をT社から照会されたC社のB常務はXに対し、本件出向の計画を説明するとともにXの担当業務の進捗状況を照会するなどした結果、T社に本件出向は可能であると返答した。

▼ XはB常務に対し、本件出向を断ることができないかと申し出たが、同年10月、Xは本件出向を内示された。その後、本件出向は白紙撤回となった。

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<T社およびC社の就業規則等について>

★ T社およびC社の就業規則はいずれも「会社は業務の都合により異動および出向を命じることがあり、社員は正当な理由がないかぎり異動および出向を拒むことができない」と定めている。

★ T社の出向規程には、以下のような定めがある。

第2条 出向とは、T社と関係のある会社、団体などの業務に従事するためにT社に在籍のまま当該会社、団体などに勤務することをいう。

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