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#193 「国・太田社会保険事務所長事件」前橋地裁

2007年10月17日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第193号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【国・太田社会保険事務所長事件・前橋地裁判決】(2006年12月20日)

▽ <主な争点>
取締役の業務上の負傷と健康保険法上の療養給付不支給

1.事件の概要は?

本件は、株式会社カマタ(以下、K社)の取締役であるXが国に対し、太田社会保険事務所長(以下「太田事務所長」という)がXに対してした健康保険法に基づく療養の給付をしない旨の処分(以下「本件不支給処分」という)が違法であると主張して、その取消しを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<XおよびK社について>

★ Xは、平成16年5月22日当時、K社の取締役であった者である。

★ K社は、鋼材の加工および販売等を業とする会社であり、昭和45年7月1日以降、健康保険の適用事業所となっている。同社における健康保険の被保険者数は、16年5月22日当時、Xを含めて9人であった。

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<本件負傷から本件不支給処分に至った経緯>

▼ Xは16年5月22日、K社工場内で、精密機械部品の切削加工の作業として、部品に付いた切粉をエアーで除去していたところ。切粉が飛んで、それが右眼に入り、右角膜異物等の傷害を負った(以下「本件負傷」という)。

▼ Xは同年5月23日から同月31日までの間の2日間、眼科において、本件負傷に対する治療を受け、これによって健康保険法に基づく療養の給付を受けた。

▼ Xは本件負傷につき、労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という)に基づく療養補償給付の請求を太田労働基準監督署長に行ったが、同署長は同年7月、Xが労働基準法上の労働者とは認められないことを理由に、同給付を支給しない旨の決定を行った。

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