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#33 「東京郵政局管内ほか(胸章着用)事件」東京地裁

2004年4月7日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第33号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【東京郵政局管内ほか(胸章着用)事件・東京地裁判決】(1999年12月8日)

▽ <主な争点>
顔写真入り胸章着用の合理性

1.事件の概要は?

本件は、東京郵政局管内または関東郵政局管内の郵便局または貯金事務センターに所属する郵政省職員であったAらが所属長である郵政局長らの違法な公権力の行使によって胸章着用を強制されたと主張して、国に対して損害賠償として、Aらそれぞれにつき33万円(慰謝料30万円、弁護士費用3万円)の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<Aら38名について>

★ Aら(計38名)は、東京郵政局管内または関東郵政局管内の郵便局または貯金事務センターに所属し、国営企業である「郵政事業」に従事する職員であった。

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<胸章着用要綱の施行等について>

▼ 平成3年3月、関東郵政局長は「同局管内の職員は勤務時間中胸章(局名、課名、役職名、氏名を記載)を左胸部の見やすい箇所に着用することを義務付ける」旨の胸章着用要綱を定め、同年4月これを施行した。

▼ 同年8月、東京郵政局長は「同局管内の職員はその勤務時間中胸章(局所名、課名、役職名、氏名を記載)を左胸部の見やすい箇所に着用することを義務付ける」旨の胸章着用要綱を定め、施行した。

▼ 9年2月、東京郵政局長は「胸章の表示事項に顔写真を加えること」とする要綱の改正を行い、同年4月これを施行した。

▼ 同年3月、郵政大臣は郵政省就業規則の一部を改正し、「職員は特に許可があった場合のほか、勤務中胸章を着用しなければならない」旨の規定を新設し、同年4月これを施行した。

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<Aらが訓告処分を受けるまでの経緯等について>

▼ Aらの所属長である東京郵政局管内の各郵便局長等は上記要綱の改正に基づき、局所内の掲示板に「胸章着用の目的および必要性、要綱の改正内容および新たな胸章を着用するために写真撮影を行うこと」を周知する文書を掲示した。

▼ 課長等の管理職は部下職員に対し、ミーティング等を通じて、上記文書と同様の内容を周知するとともに、速やかに顔写真の撮影または提出に応じ、勤務時間中に顔写真入りの胸章を着用するよう指導した。

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