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#281 「マイルストーン事件」東京地裁

2011年3月16日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第281号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【マイルストーン(以下、M社)事件・東京地裁判決】(2010年8月27日)

▽ <主な争点>
登録型有期雇用契約が更新される旨の期待等

1.事件の概要は?

本件は、労働者派遣業務等を営むM社との間で登録型有期雇用契約(本件雇用契約)を締結していたXが、当該契約が同社の違法・不当な雇止めによって終了し、少なくとも3年間分の賃金等の支払いを受ける権利等を侵害されたとして、M社に対し、不法行為に基づき損害の賠償を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<XとM社との間の登録型有期雇用契約等について>

★ XとM社は、Xが同社に派遣スタッフとして登録し、派遣先が見つかり派遣就労することになったときに、期間の定めのある雇用契約を締結し、Xが当該派遣先に派遣されるというもので、いわゆる登録型有期雇用契約関係にある。

★ Xは、平成18年7月、M社との間で、下記の内容の雇用契約を締結した。
                 記
(一)業務内容      (7号)秘書の業務
(二)法定派遣受入期間   無制限
(三)就業場所       新衛生ビジネス(以下、S社)
(四)派遣期間(雇用期間) 平成18年7月10日から同年12月31日
(五)基本賃金       時給1750円
(六)派遣元責任者     総合人材サービス部長 A
(七)派遣先責任者     業務部長 B

★ その後、上記雇用契約は、19年1月1日、同年4月1日、同年10月1日、20年4月1日に順次、更新された。この間、S社は19年2月、財団法人衛星測位利用推進センター(以下「本件財団」という)に組織変更された。

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<本件雇用契約が終了に至るまでの経緯について>

▼ 20年10月、XはM社との間で、下記内容の雇用契約を締結した(以下「本件雇用契約」という)。以下において、本件財団(派遣先)とM社との間の派遣契約を「本件派遣契約」という。
                 記
(一)業務内容       総務(含む秘書業務)、経理補助(19年4月1日の更新時に変更)
(二)法定派遣受入期間   3年間
(三)就業場所       本件財団
(四)派遣期間(雇用期間) 平成20年10月10日から21年3月31日
(五)基本賃金       時給1900円
(六)派遣元責任者     総合人材サービス部長 A
(七)派遣先責任者     企画管理本部副本部長兼総務部長 C

なお、上記契約内容のうち(一)ないし(三)および(七)は19年4月1日の更新時において、また(五)は20年4月1日の更新時において、それぞれ変更されていた。

▼ 21年2月、M社の上記派遣元担当者Aは、本件財団の上記派遣先責任者Cから、下記の理由で、本件派遣契約の期間満了による終了の申出を受け、同月、そのことをXに伝えた。
                記
(1)Xが本件財団に勤務したから2年が経ち、来年度は更なる事業拡大を目指し、本件財団の人事刷新、体制の再編強化を図る予定であること
(2)Xの場合、S社から起算して2.5年が経ち、その間、秘書総務系統の諸々の業務を担当していただいたが、区切りの良いところで交代していただき、新たな体制で来年度に臨みたいこと

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