#498「セブンーイレブン・ジャパン事件」東京地裁
2019年10月30日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第498号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 【セブン-イレブン・ジャパン(以下、S社)事件・東京地裁判決】(2018年11月21日)
▽ <主な争点>
コンビニオーナーの労働者性など
1.事件の概要は?
本件は、S社との間でコンビニエンスストアの経営に関するフランチャイズ契約を締結していたXが同契約に基づく同社に対する労務提供の実態からすると、Xは労働基準法第9条の「労働者」および労働契約法第2条第1項の「労働者」に該当するにもかかわらず、S社はXに対して、賃金の支払を怠る、使用者としての安全配慮義務に反して傷害を負わせる、無効な解雇を行うといった不法行為を行ったなどと主張して、同社に対し、不法行為に基づき、未払賃金相当額および慰謝料等の損害金の支払を求めるなどしたもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<S社およびXについて>
★ S社は、「セブン-イレブン・システム」と称するコンビニエンスストアのフランチャイズ・チェーンの運営等をしている会社である。
★ Xは、S社との間でコンビニエンスストアの経営に関するフランチャイズ契約(以下「本件基本契約」という)を締結し、コンビニエンスストア経営を目的として自ら設立したA社の代表として、セブン-イレブンB店を経営し、さらに同様の基本契約をS社と締結したY(Xの長女の配偶者)と連帯して、セブン-イレブンC店を経営していた者である。
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<本件基本契約の内容等について>
★ 本件各基本契約は、S社がXおよびYらに対して、セブン-イレブン店を経営することを許諾するとともに、継続的なセブン-イレブン・システムによる経営の指導、技術援助およびサービスの実施を約し、Xらがセブン-イレブン店の経営を行い、S社に一定のチャージを支払うことを約することなどを内容とするものである。
★ 同契約上、S社が仕入先および仕入品の推薦を加盟店主に対して行うことや加盟店主がセブン-イレブン・イメージを変更する行為の禁止などが定められていた。また、同社は情報システムにより仕入商品および販売商品の種類・数量を確認するほか、OFCと呼ばれる店舗経営相談員を通じて加盟店主に対する助言等を行っていた。
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