余談……それとクリープハイプ #3
忘れられない言葉ってありますか?
私にはいくつかあります。何年経っても私の中から消えない言葉。私の中で発酵して、むしろひどい臭いを漂わせるようになる言葉。なんなら私を形成する一部として私の中に嵌め込まれた言葉。それらは古傷が疼くように時折私の中で炎症を起こさせます。痒くなったり、腫れたり、気分が悪くなったりさせます。
ついさっきもそうでした。
「どうしてそんなに頑張れるの?」
高校の国語教師兼副担任からの言葉。
職員室で、私の期末試験の結果を見ながら言われた。
別にあの人に悪気があったわけではないと思います。だって、咎められているわけではなかったから。「あなたはどうして頑張れないの?」と言われてるわけではなかったから。むしろ、その言葉は褒めているほうに近かったのかもしれないです。
実際、このとき私の成績はすこぶるよかったんです。試験の校内順位は一桁であることが多かったです。別に自慢ではありません。事実です。
きっと副担任は、その結果の根源を知りたかったんだと思います。一体何が私を突き動かすのか。学生の本分でありながらも常に疎まれる勉学に向かわせるのか。
結果から言うと、当時私には明確な目標なんてありませんでした。
授業を受けて、板書を写して、問題集を解いて、それらをすべて記憶して、テストに臨む。すると、テスト内容はすべて想定範囲内で、高得点が取れて、校内順位が一桁になる。
強いて言うなら、試験後にわかる校内順位が私の、勉強を頑張れる根源だったのかもしれません。
ただ、何位以内になったから親から何かがもらえるということは一度もありませんでした。周りの子は、何位以内になれなかったらケータイを没収されるとか、何位以内に入ればあれを買ってもらえるとか、校内順位を目安にして家庭内で決め事を立ててました。それは我が子を勉強に向かわせるための親御さんたちの策略だったのでしょう。
私があの子の家の子だったら、今頃いくつのスマホと洋服と、ゲーム機を持っていたことか、と毎試験後、薄目で順位を見て落ち込んだり、はしゃいだりしてる子たちを見て思わないことはなかったです。
でも、そんな報酬がもらえるとしてもきっと私はそれを目標にはしなかったと思います。私は釣れないんです。だから意味もわからず、目的もなく泳いでいたのです。でも、私自身は必死で、それに気づいておらず、気づいていなかったことこそが幸せだったのかもしれません。
つまり私が幸せだったのは、あの日まで。副担任にあの言葉を言われるまで。
「どうしてそんなに頑張れるの?」
その言葉で私は自分が意味もなく努力していることに気づいてしまったんです。そして同時に自分の生きる意味さえ、わからないということに気づいてしまったのです。
それからずっと私の中にはその言葉が宿り、寂しさや虚しさで心がはち切れそなときにかぎってきつい臭いを放つのです。
そして私はシャワーを浴びながら、生まれ変わったら何になろうかなって考えるようになりました。
だから最近はそんな自分を客観的に見て、その言葉が口からこぼれるたびに私は今世を諦めているんだなって、笑ってしまいます。
そしてイヤホンをして、外に出てクリープハイプの「イノチミジカシコイセヨオトメ」という曲を聴きます。
長生きする気もないから
生まれ変わったら何になろうかな
明日には変われるやろか
明日には笑えるやろか
私と同じだって、笑っちゃいます。泣きそうになります。てか、泣いてます。
でも、クリープハイプの曲が私の中に入ってきて、私の一部として嵌まり込んだ数年前から、少しずつですが、頑張る意味や生きる意味がわかってきてるような気がします。
言葉にするのは難しいから歌にして残して貰いたいな。
#クリープハイプ
#日記
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#愛のネタバレ
#さっきはごめんね 、ありがとう
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