日記 20201129
日曜も仕事でした。土日とも潰れるのは痛すぎる。まともな休みが欲しい。
今回は「神様になった日」のネタバレあり考察をするので、見たくない人はブラウザバックしてね。
大丈夫かな? ここからはネタバレありです。
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<2020年秋アニメ>
神様になった日 # 08「海を見にいく日」
2020/11/29 (24分)
ひなちゃんの正体がだいぶ明らかになりました。残された謎が何なのかも明確になってきたはず。オーディンを名乗るひなちゃんに対し、企業フェンリルが接触することになれば、北欧神話でいうラグナロクが訪れるでしょう。世界の終わりが近づいています。
「ロゴス症候群」は、若年性アルツハイマーなどの脳委縮に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を組み合わせた架空の難病でしょう。医師である佐藤父が7年も奮闘した挙句に見捨てた(ここら辺は医療に従事する者として違和感はありますが事情があったんでしょう)のですから、ひなは死の運命を避けられなかったはず。しかしOP前でひなが見た夢では、興梠(こおろぎ)博士にリハビリを受けて歩き、自在にキーボードを叩くまで回復している。
興梠博士は量子力学と情報工学に通じていましたが、他の様々な専門分野に接触した形跡がありましたね。自然言語処理とか自然免疫とか。ここからは、大きく二つの可能性を考えてみます。
(1)現実世界説
興梠博士は、最新科学の成果でひなの身体を治療した……というより作り直した。ひなの身体を遺伝子治療後のクローンもしくはサイボーグとして用意し、頭脳はオリジナルの脳を移植もしくは脳活動を構成するデータ構造をAIに移し替えた、またはAIで補助させた。天才というか神にも劣らない禁忌の領域。まさしくファンタジー/SFと呼べるでしょう。
陽太たちや鈴木少年がいるのも現実世界ということで齟齬は生じません。いろいろ都合よい世界に見えますが、創作上の許容範囲でしょう。「全知」といえる予知は、ひなの脳を構成・補助するAIの計算能力。「世界の終わり」は、ひなの活動停止を意味することに。しかし、陽太の受験勉強などを無駄だから止めようとしていた理由を考えると、ひな自身が「世界の終わり」=「ひな自身を含む世界の終焉」と誤って信じているからとしか説明できないんですが……興梠博士から吹き込まれでもしない限り、賢いひなが自分自身の終わりと世界の終わりをごちゃまぜにするとは思えないんですよ。
そして、陽太たちはひなの活動停止を避けるべく奮闘する展開になるのでしょうが……この説で一番の難点は、宣伝文句「神を殺して世界を守るか、世界を狂わせてまで神を生かすか」の二択にならないこと。神=ひなの生死にかかわらず現実世界は存続するので、仕掛けが無い限りキャッチフレーズが嘘になってしまいます。酷い話ですが、たとえば「ひなが生き続けていると現実世界が狂っていく」ギミックがあれば成立するでしょう。鈴木少年たちは現実世界の狂いを修正すべく、ひなのシステムを止めに来たことに。
(2)VR世界説
だいぶ分が悪くなりましたが、まだVR世界説の余地も残っています。
現実のひなは意識不明のままベッド上に横たわっており、興梠博士はひなの生命維持およびVR世界へダイブするためのシステムを構築したという流れ。可能性としては考えやすいものの、現実世界と同様のVR世界を構築する方が、ひな一人を何とか助けるより実際の難易度は高いかもしれません。
陽太たち登場人物はVR世界の住人で、鈴木少年は現実世界側ってことになりますが……8話Cパートで鈴木少年は佐藤父を訪れていますから齟齬が生じていますね。VR世界側にアクセスする手段を入手した鈴木少年が、自分と同じアバターを使用しているなら可能でしょうけど……その場合は、鈴木少年が興梠博士のシステムを見つける目標をすでに達成しているので、わざわざダイブして佐藤父に会いに来る理由が不明。考えにくいかなあ。
「全知」がひなの脳を構成・補助するAIの計算能力なのは(1)と変わらないのですが、「世界の終わり」をどう考えればいいのか。ひなが死ぬことでアクセスしているVR世界が消滅するのであれば、「神か世界か」の二択になりません。したがって「ひなが生き続けるためのリソースが必要で、VR世界の一貫性ある維持に限界が訪れる」というギミックが考えられます。ひなが死ねばVR世界は存続するし、VR世界が犠牲になればひなは生き永らえる。
この場合、陽太たちが問題を根本的に解決する手段はありません。自分たちが消滅してでもひなを生かすか、ひなを殺すことで自分たちの世界を守るかの選択を迫られることになるでしょう。鈴木少年たちがリソースを用意してくれるなら両者とも生存ルートがありえるでしょうけど、それで現実世界側が得るメリットが明確でなければ難しいかな。
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今思いつくのは主に上記の二つです。アニメが他の可能性を提示してくれるなら面白いんですけどね。次回を楽しみに待つとしましょう。
※トップ画像は、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
※記事が多くなったので、案内用の記事を作りました。