ニコ動のVOCALOID作品数に占めるオリジナル曲比率の推移
前書き
ちょっと興味があったので、2007年から2022年まで、年度ごとのVOCALOID作品数と、その中に含まれるオリジナル曲の比率を調べてみました。
対象は、ニコニコ動画のみ。
調査には、ニコニコ超検索を使用しました。
(※ニコニコ動画本家よりレスポンスが早いので、数的調査向きです。ただし、本家と完全にはデータが一致しない可能性があります)
調べる方法としては、
(A)キーワード検索「VOCALOID」でヒットした作品数
(B)キーワード検索「VOCALOID+オリジナル曲」でヒットした作品数
の比率を取っています。
タグ検索では「〇〇オリジナル曲」「△△オリジナル曲」「◇◇オリジナル曲」……をすべて個別に指定しないといけないのですが、
キーワード検索であれば、(B)の手法で任意の「~~オリジナル曲」タグがすべて一度に検索できます。
しかし、この方法だと(A’)タグ検索「VOCALOID」でヒットした作品数とのズレが出るかもしれないので、そちらも調べておきました。
結果は以下の通り。
折れ線グラフ作成にはLiveGapを使用しました。見にくくてすいません。
VOCALOID作品数の推移
紫:(A)キーワード検索「VOCALOID」でヒットした作品数
緑:(A’)タグ検索「VOCALOID」でヒットした作品数
青:(B)キーワード検索「VOCALOID+オリジナル曲」でヒットした作品数
オリジナル曲数の推移
上の青線だけ個別に抜き出したグラフです。
VOCALOID作品中、オリジナル曲が占める比率
タグ検索「VOCALOID」と、キーワード検索「VOCALOID」では、ヒットする作品数にそこまで大きな違いは無かったようです。
※キーワード検索「VOCALOID」だと、a.「VOCALOID」タグが付いている作品以外にも、b.投稿者コメントに「VOCALOID」と記述されているだけの作品も拾ってしまいます。しかし、後者bは前者aの10%程度に収まっているようです。
まとめ
上の図からは、ざっくりしたことしか言えませんが……
・VOCALOID作品数も、その中のオリジナル曲数も、2012年頃に一度ピークに達している。
・その後、2015~2017年頃までやや低下し、下げ止まり。
・2017年頃から再び作品数が増加し、2020~2021年頃には2012年度のピークを上回ってさらに増加が続いている。
・オリジナル曲数は、2022年度には、2012年度の2倍を超える投稿数を認めている。
・オリジナル曲数のVOCALOID作品数に占める比率は、2007年は10%台後半でしたが、いわゆるメルトショックでオリジナル曲が隆盛し、2008~2016年頃までは30%台前半と、ほぼ3分の1を占めていた。
・しかし2017年以降、オリジナル曲の比率が増加し、2018年~2020年度には40%台、2021年度以降は50%台に達し、VOCALOID作品のうちほぼ半分がオリジナル曲ということに。
大きな要因としては、2020年冬から始まったボカコレがあげられるでしょうが、それ以前から徐々にオリジナル曲の比率は上がっていたみたい。これが何を意味するのか、御存じの識者がいれば教えてもらえると嬉しいです。
では、今日はこんなところで。