日記 20200217
※トップ画像は、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
沼男《スワンプマン》は誰だ?
~「うごクトゥルフ」動画シリーズ 第2弾~
2015/3/20
2015/4/11
2020/2/16
2020/2/28(再投稿のためリンク貼り直し)
久海夏輝さん主催のTRPG集団、ひまつぶし卓の最新シリーズ。
第20話・第21話(最終回)が同時投稿されました。
約5年間と長きに渡った投稿でしたが、ついに完結。
(動画コメントでは6年と言っていますが、2015~2020年なので年度別に数えれば6年目ということでしょう)
使用シナリオは、CoCシナリオ中でも名高い「沼男(スワンプマン)は誰だ?」(原作:m34さん)。元ネタにリンク貼っておきます。
どれほど極悪かと言うと「継続中のプレイヤー・キャラクター(PC)は非推奨」「使用PCは、以後他のシナリオで遊ぶことが困難」という前提でプレイしてもらう必要があるほどです。ネタバレになるので詳しく説明できませんが、ほぼ100%(ある種の)バッドエンドになるためですね。しかも単純なバッドエンドではなく、起きてしまった事件の性質からプレイヤーたちが悩みに悩んで選択するしかない……絶望的ながら納得せざるをえないエンディング。賛否が分かれるシナリオですが、品質は折り紙付きです。
シナリオ中でも説明がありますが、沼男(スワンプマン)というのは哲学的な思考実験の一つです。
ある男がハイキングに出かける。道中、この男は不運にも沼のそばで、突然雷に打たれて死んでしまう。その時、もうひとつ別の雷が、すぐそばの沼へと落ちた。なんという偶然か、この落雷は沼の汚泥と化学反応を引き起こし、死んだ男と全く同一、同質形状の生成物を生み出してしまう。
1987年、アメリカの哲学者ドナルド・デイヴィッドソンが考案したもの。死んでしまった男とその後出現した沼男は、はたして同一の存在でしょうか。現実世界では起こりえない点を棚上げしての話ではありますが、物理的に同一なのか/歴史的な連続性があるのか、など自己を同一とみなす理由は何かを考えるうえで参考になる思考実験です。
TRPGシナリオ「沼男は誰だ?」に出てくるスワンプマンは、思考実験のスワンプマンを参考にしてはいますが、あくまでシナリオ上のガジェットであり異なるもの。とはいえ突き付けてくる問題はほぼ同じで、簡単に答えが出せないからこそプレイヤーたちは悩み苦しむことに……
そして、ひまつぶし卓では長年プレイし続けた愛着あるキャラクターをこのデッドエンドシナリオに投入したため、プレイヤーの感情移入も筆舌に尽くしがたいレベルに達しました。全て見通すと約9時間弱になる大作リプレイで、CoCリプレイ動画としても特記すべきクオリティです。
お時間のある方は、ぜひぜひ。