Dr.高木皓平にとっての「王様のメロディ」
ごきげんよう。ドラムの高木です。
小川に引き続き、今回は僕にとっての"王様のメロディ"をご紹介していこうと思います。
前回記事はこちら。
Hi-STANDARD / THIS IS LOVE
音楽を志すきっかけの多くは「モテたい」か「憧れの人になりたい」だと思います。僕は「憧れ」から入った人間で、その対象はドラム教室で知り合ったお兄さんでした。
当時、小学生だった僕は音楽のカッコ良さなど全く理解できず惰性でドラムを習っていました。いつも暇そうにしている僕を心配してくれたのだと思いますが、親からの提案で習い事をすることになり、その流れで音楽教室に辿り着きます。
ドラムを選択したのもパッと見で「ピアノとかより音の数が少なくて簡単そう!」というアホみたいな理由です。
最初はマンツーマンレッスンから始まりましたが、1~2年ほど通い演奏に慣れてきたあたりからグループレッスンへ移行することとなります。「憧れ」のお兄さんはそこの生徒の一人でした。
彼は高身長イケメンの高校生。しかもドラムが上手い。
その叩き姿はあまりに鮮烈で「自分もこんな風になりたい!」と強く思った記憶があります。
そして、彼が教室でいつも叩いていたのがHi-STANDARDの「THIS IS LOVE」でした。今でも時折この曲を聴いて初心を思い出し、自身も誰かに鮮烈な記憶を与えられる人間になりたいといつも思っています。
RADWIMPS / いいんですか?
学生当時、僕はずっと音楽しか頭になく人付き合いすら疎かにしていました。一人っ子で内気な性格だったこともありコミュニケーションには自信がなく、今思えば音楽を言い訳にして逃げていたのだと思います。
しかし、そんな僕にいつも音楽の話をしてくれる同級生の女の子がいました。彼女は邦楽洋楽インディーズの垣根なく様々な音楽に興味があり、僕も負けじと情報収集しては彼女とおすすめの音楽を共有していました。
RADWIMPSはその時に教えてもらったバンドのひとつです。
僕は次第に彼女に惹かれていくのですが、なにぶんコミュニケーション下手の恋愛下手。本音を伝えることの恐怖と好きの狭間で悶々としていました。
そんな状態の僕にRADWIMPSの「いいんですか?」は全く考えもしなかった答えを与えてくれます。
自分が恥ずかしくなりました。
保身ばかり考えてうじうじ悩んでることに気付かされたからです。
「あなたの選ぶ人ならきっと大丈夫だよ」と、背中を押してくれてたこの曲は僕に貴重な青春の1ページを与えてくれました。
ちなみに告白は失敗しました。
ONE PIECE 3巻~5巻
映画「ONE PIECE FILM RED」を公開し、連載開始から約25年経った現在も快進撃を続けるONE PIECE。僕も大学卒業まではコミックスを全て揃えていました。
最近になって少年ジャンプ+(集英社の漫画アプリ)をインストールして「SPY×FAMILY」を熱心に読んでいたんですけども、そこで「ONE PIECE」が23巻(アラバスタ編)まで無料で公開されていることに気が付いたんです。
久々に読んでみてとても感銘を受けました。ウソップに。
もはや説明するまでもないと思いますが、ウソップは主人公モンキー・D・ルフィの仲間の一人で、連載初期から登場するメインキャラクターです。
漫画では口八丁なお調子者として描かれることが多いですが、彼の本質は「臆病」にあると読み返してみて思いました。
ウソップは他の男性キャラクターと違い特別な戦闘力を持っていないため、強敵が現れると腰が引けてしまう側面があります。
それでも、自身の信念のため、愛する仲間のためなら踏みとどまれる勇気を持っています。
コミックス3巻~5巻(シロップ村編)ではウソップが初登場し、自身が生まれ育った村を襲う海賊達に対抗するストーリーなのですが、彼は自分が殺されるかもしれないと分かっていながら一人で立ち上がります。
所詮漫画の中のお話と言ってしまえばそれまでなのですが、死の恐怖を必死に堪え闘いに挑むウソップに人として見習うべき姿があると今になって学ばされました。
誰しも人生には立ち向かわなければならない瞬間が必ず訪れます。責任の重さや恐怖の大きさに胃が引き千切ぎれるような思いをした方もいるんじゃないでしょうか。
歳を重ねれば逃げ方を覚えるようにもなりますし、僕もどちらかといえば傷つかないよう生きてきた人間です。それでも、闘うべき場面では「逃げる」という選択肢を捨て、傷つく覚悟で立ち向かおうと改めて心に刻むことができました。
少年漫画は大人になってから読むと面白いですね。
ONE PIECEの物語もどうやら終盤のようなので、また全巻集めてみようかなあ。
以上、Dr.高木皓平にとっての王様のメロディでした。
自分の経験を語れる場ができてとても楽しかったです。
今回に限らずまた体験談をお話しできればなと思います。
それでは、また次回!