あと12分で洗濯物が終わるので
1998年の夏は夕立が多かったように思う。昼間はカラッと晴れているのに、夕方になると決まって大雨が降り出す。
9歳だった私は、夏休みの間遊びに来ているご近所さんのお孫さんと部屋でトランプをしながら、何もかも洗い流してしまうかのような豪雨を眺めていた。
絵を描くようになってから、昔のことをよく思い出すようになった。
とっくの昔に捨てたピンク色のセーター。
高校生のときに使っていたリュック。
子どもの頃、車の後部座席で見た景色。
右脳を使うようになって、色から想起される記憶が呼び起こされやすくなったのかもしれない。
私のソフト(脳)は、私が思うよりも高性能なのだ。ただし、ハード(私)が低性能なのでほとんど出力はできない。
今日は、フカンなるものを描いた。
顔のパーツの配置がしっくりこなくて何度もやり直し、やり直してもしっくりこないので諦めた。
髪の毛は、加算(発行)でハイライトを入れることを学んだので実践。個人的にはオーバーレイで入れるのもいいと感じた。
洗濯物があと12分で終わる。
行き場のない記憶を洗濯機の唸りが掻き消していく。