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立ち入り禁止エリアと濃いめのカフェオレ
人は誰しも心の中に深い穴を持っていて、そこはいつも危険な工事現場のように立ち入り禁止となっている。
現場の近くに行かなければ、その存在を気にすることもなく、同僚と談笑したり、恋人と美味しいものを食べたり、家族とぼーっとテレビを観たりできる。
しかし、ふとした瞬間、街中で嗅いだ匂いや、目覚めたときの気温と湿度や、本の中にある一文で、その深い穴へと連れ込まれてしまうことがある。
そうすると普段意識しなかった感情がブワッと湧き上がり、どうしようもなく往生するのだ。居ても立ってもいられなくなり、いたたまれなくなり、いつまでもまとわりついて離れない感情に苛立ちさえ覚える。
と言いつつ、私はそんな感情を1時間後にケロッと忘れて濃いめのカフェオレを飲んでいる。
深い穴が消えたわけではない、なんというか、深い悲しみや絶望感というのは、意外にものんきな日常と伴走できるのだ。
うわ〜ごはん炊きすぎた、とか、あ、今日同僚のAさんのシャツかわいい、とか、そんなたわいのない日常の隣で、悲しみや絶望感は、つかず離れず存在できるものなのだ。
そんな日常で、今日も1枚の絵を描いた。
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今回はバケツ塗りなるものに挑戦。影はエアブラシでつけた。髪の毛の影を黄色でつけたものの、これで合っているのだろうか。
メディバンは無料でありながら本当に使える機能が多い。有料版もあるが、私は無料版で十分だ。何不自由なく使えるし、こんなソフトを無料で提供してくださって大変感謝している。
今日は雨なので工事はお休み。工事現場から離れた場所で次の絵を描くとしよう。