読書感想文『酔歩する男』
『玩具修理者』を読んだ後は必然的にこの作品にたどり着く。
同僚との宴会後に、1人だけタクシーに乗り損ねた「血沼(ちぬ)」が、「小竹田(しのだ)」という奇妙な男と出逢う。
「小竹田」は「血沼」と親友だったと言ったりそうでないと言ったり、同じ大学だと言ったりそうでないと言ったり、関わりたくないと思わせるような人物であるが、「血沼」はその男の話に興味を持ち、「小竹田」の記憶についての回想が始まる。
「小竹田」と「血沼」の大学時代から現在に至るまでが話され、その中で「菟原(うない