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きっかけ

世間が冬ソナで韓国ドラマの大ブームが起こってから
数年後に韓国ドラマの世界に足を入れる。

ヨン様ブームには乗れなかったが
入り口はやっぱり冬ソナだった。

インターネットの動画配信で見れると知り、かなり時代遅れだけどと言いながら見始めた。

ハマった(笑)

昔、日本であったドラマの感じに似ていた。
だから、おばさまたちがハマったんだな、とも思った。

冬ソナでハマり、そこから見れる韓国ドラマを片っ端から見るようになった。

ドロドロした復讐や、仕返しからの成り上がり話はあまりハマらなかった。そんな中で私が今でも1位にしているドラマが
 「家紋の栄光」

落ちぶれた家紋を復興した宗家と
族簿をお金で買ってでも宗家になりたい家族の話。

このドラマで韓国の伝統家屋に住む、伝統行事や習慣を大切にする家族の話を見る。

それまでの韓国のイメージと違った。

先祖や目上を敬い
繋がりや縁を大切にする。

インターネットで見て来た韓国のイメージと違う…

このドラマを見て、韓国の文化や歴史に興味を持ち始めた。

こんなに家族、家系、血の繋がりを大切にするのが根底にあるとしたら
祖父はどう思われているんだろう。

祖国を捨てた、
家族を捨てた、と思われているのかもしれない。

反日感情が強い人なら、祖父の存在さえも否定されてるかもしれない…

そんなことも考えた。

「在日」と頭につく作家の小説や
「在日」の家族の方の話をいろいろ読んだ。

大阪にたどり着くだけでも大変だったであろうに
どうやって祖母と出会い、結婚したんだろう。

真実を知りたいような
知りたくないような…

私が掘り起こすことを
誰も望んでないかもしれない。

そんなことも考えた。

初めて韓国へ行ったのは2017年。
元夫と旅行を計画していて
「北海道行くより安いで!」という理由で行き先を韓国に決めた。

初めてだったので観光ツアーにした。
ハングルも読めない私は
ソウルの街でハングルだらけの看板を見ながら、衝撃を受けた。

英語なら、なんとなく学校で習った単語でわかる。

漢字なら字の意味を考えて、だいたい理解できる。

ハングルて…

ㅇ ㅁ ㅈ ㄱ …

単語どころか、音さえわからない。

まるで異世界に来たようなそんな衝撃を受けた。

私はこの時の旅行のあと、
どうしてももう一度1人でゆっくり行きたいと思った。

半年後、ハングルも読めない、話せないのに1人でソウルへ行く。

当時、インターネットの情報だけで
韓国への印象がすごく悪い姉は
私が韓国ドラマを見ていることさえ反感を持っていた。
だから韓国1人旅も黙って行った。

1人でソウルの街をあちこち行き
自分の魂、前世が韓国に縁があると実感した。

ここで祖父の血を強く感じるようになった。

祖父のことをもっと知りたい。

終戦後、それまでは日本は国内とされていたのに、統治がなくなると朝鮮から来た人は外国人となる。

外国人登録制度が制定される前に亡くなった祖父は
その記録がない。

どこで祖父の存在を確認できるのか?

ネットで調べたおして、
とりあえず韓国領事館へ行くしかない、という結論になった。

それにしても、祖父の朝鮮半島での戸籍の住所がわからないと調べられない。

どこから手をつければいいのかわからない。
もちろん、お金をかけて専門の方にお願いしたら早いのだろうけど
お金はかけられない…

そんな時、自分の古い戸籍を見る機会があった。
私の父が筆頭にある戸籍。
もちろん母との結婚の記録がある。

その母の欄。
母の名前はもちろんいつも見ている祖母の名前。

父の名前は、いつも見ている日本名ではない韓国名が出ていた。

あ…
おじいさん。李さんなんや…

一気に現実味を帯びて来た。

私は区役所の窓口で
自分の戸籍を見せて

「この人か祖父母なんですけど
この祖父母の戸籍は見れますか?」

直系なので見れますよ。

すごく簡単に除籍簿が出て来た。

そこには、祖父の韓国の本籍地か出ていた。

慶尚北道尚州郡…

やっぱり韓国や。
韓国や…
韓国…


おばあちゃん、おじいさん韓国の人やったんかいなーー!


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