オスカー・クルマン『霊魂の不滅か死者の復活か』1955
悲惨の裡にて我思ふ。カトリシスムほど人間の欠点を知り盡し、人間が抱く悉皆の悩みに答へ、人間を確信(=希望)へと至らしめて呉れるものはない。名立たる法学者、物理学者がカトリシスムを受容する所以である。
扨て、本書はオスカー・クルマンが1955年4月にハーバード大学で行つた講演の翻訳である。彼は仏蘭西人だが新教徒の聖書学者、エヴァンジェリカルの立場から、彼は「霊魂の不滅」てふ教義に疑問を呈する。
「霊魂の不滅」とは非常に微妙な問題である。だが公教要理には「霊魂の不滅」が明記さ