当事者として一般就労で感じた「職場環境と社会」のあり方
ハッタツソン2020のプレイベントとして、「働く」をテーマに発達障害の当事者にリアルな声を発信していただく、全5回のオンラインイベントを開催しました。
第2回目は、介護職員として一般就職したmakotoさん。現在は障害をオープンにしながら就労しています。一方、大学院で同じ特性をもつ障害者を支援しており、支援する側・される側の両方を経験。この2つの視点を交えて、今感じている「働くこと」をお話いただきました。
makotoさんは、就職して1年目のとき「仕事でミスを連発し、とても苦労した」と言います。利用者の席を間違える、配膳に時間がかかる、突発的な指示を忘れる……。同じようなミスが続き、試用期間で契約終了の話が出ます。そんな中、当時の上司からフォローがあり、首の皮一枚で正社員に。その後、発達障害の診断を受けるに至りました。
そして今、makotoさんは現在の職場環境について「とても恵まれている」と言います。まず発達障害であることを上司や同僚の一部に公表し、周りに認められていること。それに対して配慮や環境整備があったこと。そこに大きな安心感を抱いています。ただ、当事者すべてが自身と同じような環境に巡り会えることは難しいとも訴えます。
そもそも発達障害は特性上、認めてもらえるように他者と交渉するのは、ハードルが高い。たとえば、検討してもらうなどのグレーな交渉は、いくつものパターンを想定したうえで行われます。空気を読む、相手の意図を読むのが苦手な発達障害は、言葉にしにくい状況を判断するのが難しく、それゆえ「話し合う」自体が混乱しがちです。
それを踏まえてmakotoさんは「当事者自身の障害の弱みと強みの理解と、支援者の必要性」や、「当事者自身が特性と社会構造を理解し、セルフコントロールできる支援が大切であったはないか」と訴えます。
「障害は当事者の中にあるのではなく、環境と障害のあいだにある」というソーシャルマジョリティの考え方が広がっています。何かをきっかけに、だれもがマイノリティになりうる可能性がある。もし自分自身や周囲が、社会から生きづらくなったとき、makotoさんの提案する「理解支援のある環境」が、多様性を生かすヒントになると感じました。
ハッタツソン2020のプレイベント第2段としてみんなの座談会「日常を、みんなの視点で考えよう」を全3回開催!
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ハッタツソンは発達障害の当事者の方(いわゆるADHDやASD、LDなどの診断のある人やグレーゾーンの方)とそうでない方(いわゆる健常者や定型発達と呼ばれる方)がチームを組んで仕組みやサービスなど考え作っていく3日間のプログラムです。今年は「誰もが働きやすい社会をつくる」をテーマに12月5日〜7日に開催します!
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プログラム参加枠(いわゆる健常者や定型発達と呼ばれる方)として参加される方
当事者枠(いわゆるADHDやASD、LDなどの診断のある人やグレーゾーンの方)として参加される方
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