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レデラジ#7|Tenといっちーが語る「認知の多様性」

ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくるをミッションに活動するLedesone(レデソン)のショートラジオ番組「レデラジ」

今回から毎月1回「認知の多様性」を固定テーマとしていっちーさんとお話をしていきます。

第7回目は「認知」とは何か、Tenといっちーさんがなぜ「認知」に着目しているのかなどをお話しています。

レデラジはnoteではテキストとしてSpotifyでは、音声で楽しむことができます。


Ten
「ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくる」をミッションに活動するLedesoneがお届けする「レデラジ」。
モデレーターのTenです。
レデラジでは毎回様々なゲストと一緒に、Ledesoneが取り組むインクルーシブデザインに関することや、見えづらい違いの特性を持っている方と一緒にお話をしていきます。

今回から、月1回のペースで、認知の多様性をテーマに、いっちーさんと一緒にお話をしていきたいと思います。
いっちーさん、お願いします。

いっちー
 
はい、よろしくお願いします。


認知の多様性について話す理由

Ten
認知の多様性についてお話しする理由ですが、見えづらい違いについてもっと話をしていきたいと思っているからです。
そもそも、認知とは何なのかというと、見たもの、聞いたもの、匂いを嗅いだもの、触覚などの情報をどう解釈するかという機能のことを指します。
注意力、集中力、記憶、文字を読む力などが含まれます。
最近、認知機能の違いが人それぞれにあると感じ、その部分をもっと話したいと思っています。
僕自身、発達障害の当事者であり、Ledesoneの活動を通じて、認知の多様性に興味を持ちました。

例えば、「認知症世界の歩き方」というボードゲームで、認知機能の違いを体験しました。

このゲームでは、認知症のある人の困りごとをアニメーションで学び、その中で出てきた困りごとをカードで選ぶのですが、それが発達障害の困りごとに似ていると感じました。
発達障害にはグラデーションがあり、認知機能の違いが個々にあるのではないかと思います。
今回は、いっちーさんと一緒にその話を深めていきたいと思います。

いっちーさんは、認知の多様性に興味を持つようになった経緯をお話しいただけますか?

認知機能の違いの具体例

いっちー
最近、認知の多様性について興味があります。
自分が色の見え方の違いやADHDの特性で、普通のことができないことに疑問を感じていました。
色の見え方の違いを理解するために、蛇がサーモグラフィーのように見えることを例に、自分のことを理解しました。

蛇が見ている世界 引用:Gigazine

生物によって視覚が異なることを知り、障害や異常の定義に疑問を持ちました。ADHDについても同様で、治るものではないと聞いていたし、自分の経験的にも治療が前提となっている診断やその判断基準など違和感を感じていたため、人それぞれ認知の方法に違いがあると知ったときは衝撃的でした。

例えば、物を見て情報を得るときに、頭の中に映像が流れる人もいれば、文字列としてインプットする人、写真的にインプットする人もいます。
これを知ったとき、色の違いやADHDの特性も、認知の違いに近いものなのではないかと感じたんです。

すごく画一的なもとして理解されているけれど、人ってもっと多様なのではないかと思い至り、認知の多様性に興味を抱いています。

Ten
確かに、見え方や感じ方は人それぞれで、グラデーションがあります。
環境や仕組みによっても変わると思います。
Ledesoneでは、その部分にもっと取り組んでいけたらと考えています。

日常での認知特性から来る困りごと

いっちー
自分の子供が小学生で、文章問題に悩むことがあります。
文章が難解だったり、逆に説明が足りなかったり、捉え方に違いがあると感じることが多いです。先生や教材作成者にとっては違和感のない文章でも、受け止め方が異なることがあります。
教育の分野で、捉え方や処理の違いはまだそこまで考慮されていないのではないかと思いますし、受け止め方の違いについての理解が無いことで、自分のことを落ちこぼれだと認識してしまう子も少なくないと思います。
そうならないために、情報の受け止め方の違いを議論することが大切です。

Ten
そうですね。
前にいっちーさんとすぷりんとさんという方と話したとき、LD(学習障害)と他の障害の違いについて議論しました。

自分としては、LDの方が認知機能の困りごとが強いと感じることがあります。
認知機能の困りごとは、環境や仕組みを整えることで解決しやすくなると思います。

「ハッタツソンフェス」の経験

いっちー
そうですね。
以前、Ledesoneが主催している「ハッタツソンフェス」というイベントに参加したときのことを思い出します。

例えば、僕自身読み書きに負担を感じる事があり、書いた文字も読みづらいとか汚いと言われることが多く、極力手書きをしないようにしています。
LDと診断されるほどではないにしても共感する部分があり、何か共通項があるのだろうか?と以前から考えていました。

そのイベントで、LD(学習障害)の方のお話を聞く機会があったんですが、その時、「色覚障害に例えるとこういうことですよね?」という話をされて、とても理解しやすかったです。

ハッタツソンフェスに参加させていただいたとき、LD(学習障害)の方のお話を聞く機会があったんですが、特性がない人にもわかりやすく伝えようとした結果、逆にわかりにくくなってしまっている部分があったのですが、自分の色覚特性で例えることでスムーズに理解ができたということがありました。

捉え方の違いはあるものの、見ているものが実際に崩れているわけではありません。
「この色は何色に見える?」と聞かれることがよくありますが、皆さんが見ているのが赤なら、僕が見ているのも赤という名前であることには変わりがなく、見え方が異なることを共有するのが難しいなと思うことがあり、LDについても同様なんだなと思うことができました。

LDの話を聞いて、色覚障害に例えるとこういうことなんだと理解できました。
最終的には、情報のインプットと処理の仕方が人によって違うということなんですよね。
それを理解すると、腑に落ちます。

LDやADHD、ASD(自閉スペクトラム症)のような発達障害には、様々な分布があり、グラデーションのように混ざり合っていること表現されますし、実際そうだと思いますが、それすら簡単な表現にすぎないんじゃないかとも思います。

前回のイベントでは、そんなことを感じました。

Ten

ありがとうございます。
確かにそうですね。発達障害に関するイベントでも、読みの部分や数字の理解に関する話が出ることがあります。
それも認知の部分に関係しますし、とても興味深いです。

ハッタツソンフェス」など、読み書きや数字の理解に関するイベントでも、認知の違いが話題になります。
こうしたテーマを毎月1回のペースでお話ししていきたいと思います。今回はありがとうございました。

いっちー
 
ありがとうございました。


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