【第8回】喫茶店と、灯台。
2019.1.25
年末までに、のつもりが、年末年始落ちつかず、
すっかり遅くなってしまいました。
のらり、第8回目となります。
すでに、店内、HP、instagramなどでは
お知らせしておりますが、
年始より営業時間を、
木曜休、14時から21時までと変更いたしました。
これにより、
基本1週間どの曜日も本館分館、
どちらかは営業している体制となりました。
近い将来、もう少しやりたいこともありまして
営業日時またのびるかと思います。
よろしくお願いいたします。
さて、今日は
本館、レキュム・デ・ジュールを出す、
少し前の話。
元々転勤族で、
故郷らしい故郷をもたない私にとって
お店を出すということは、
実はとても変な感覚でした。
というのも、
お店を長く続けていくということは、
その地に留まり続けることを意味します。
船が一時、錨をおろすのではなく、
樹木のように根をおろすという感覚は、
自らの意思で、はじめて故郷を作るような、
そんな気持ちに近かったのかもしれません。
なので、根をおろす前に、
最後の長旅のつもりで、
パリからバルセロナの方へ、
向かう旅をしました。
都会的なパリから、電車で南に下っていくと
少しづつ色彩豊かな牧歌的な風景に移っていき、
思わず目を奪われます。
その最中、
立ち寄った場所に
コリウールという街がありました。
南仏、地中海に面する小さな港町で、
かつてはマティスをはじめ、
多くの芸術家が療養やバカンスに訪れ、
その風景に魅了され、
たくさんのキャンパスに収められてきた街です。
そこには、とても印象的な灯台、
正確には跡地ですが、ありました。
ノートルダム・デザンジュ教会。
17世紀に建立された、
南部ゴシック様式の教会です。
歴史的にも建築的にも
非常に面白い教会なのですが、
この教会の鐘楼が、
灯台として遠征に向かう十字軍の兵士たちや、
船乗りたちのための
出港入港を助ける道標として、
使われていました。
立地が変わっていて、
教会自体が海に張り出し、
夜になると、
鐘楼と教会の灯りと、港町の生活の明かりで、
幽玄な情景がひろがります。
太陽の光に満ちたカタルーニャの日中とは一変、
夜の海は、闇です。
帰り着く船は、
浮かび上がる故郷の美しさに、
心底休まる思いをしていたのではないかな、と
旅の最中、他人事ながら思いました。
…今回かなり長くなってきましたね。
このままだと、
ただの旅エッセイで終わってしまいますが、
次回、喫茶店へとつなげます。
噺のまくらで終わり、すいません。。
持ち越しのお話、
『喫茶店と、灯台。の続き』は、2月中の予定。
※1/28~1/30、本館お休みですが、
分館は通常通り営業しております。
よろしくお願いいたします。
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