【第4回】日々の泡を透かしてみれば。
2018.9.20
すっかり涼しくなってきましたね。
随分と伸びてしまいましたが、
分館、openの日取りをようやく決めました。
10月2日、12時からです。
コーヒーの日の次の日、
喫茶店的には普通の日です。
月曜木曜休み、12時から19時が目安の仮営業で、
しばらくはいろいろと整えながら、
正式な営業日、
時間などを決めていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。
さて、今回は少しだけ、思い出話。
お客様の中で
日々の泡という小説を読まれている方は
はたしてどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
レキュム・デ・ジュールこと、日々の泡という
ボリス・ヴィアンの小説に出会ったのは、
私が大学一年生の時です。
ジャケ買いならぬ、
美しいタイトルの響き買いで、
なんとなく読みはじめたこの小説は、
あまりに難しく、
冒頭の書き出しから、
作者から突き放されているように感じて、
想像も追いつかず、
おもしろさも見い出せないまま、
半ばでそっと本を閉じたのでした。
しかしながら、心のどこかに、ザラッとした
何かわからない違和感がずっと残っていて、
他の小説を読んで、
体力をつけてはまた挑むような、
そんな読み方を繰り返すうちに、
少しずつ解けるように、
作者の言いたかった
たくさんの扉が見えては開き、
いつの間にか、
自分にとって
かけがえのない一冊になったのを覚えています。
たった一冊の本の先に、
開いたいくつかの扉の行方が、
私の場合、
本館だったり、分館だったりするわけですから、
本一冊、侮れません。。
分館が、
小説同様に必要以上に難しかったり、
お客さまを突き放したりしてるつもりは
もちろんありませんが、
是非、日々の泡という、
新しく生まれた喫茶店を自分の眼で、
透かしてみてもらえたらなと思います。
店内の風景を、目の前に運ばれた商品を、
様々な角度から、
そして、
その先に見える、正解のない自由な景色を
楽しんでもらいたいです。
お店側から何か願いがあるとしたら、
その景色のどこかに、
日常を彩る素敵な想像の芽が、
未来の扉まで繋がってくれたら
嬉しいなと思います。
今は、時代が強いるので
仕方がないのかもしれませんが、
想像の先に、
まず数字や評価がちらついてしまいがちなのが、
もったいないなと思います。
喫茶の時間くらい、そこは自由でいいはずです。
ではでは、今日はこの辺で。。
次はオープン直前、直後あたりですかね、
『喫茶店発、喫茶店行。』というお話の予定。
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