使ったその日から売上げが右肩上がり! 営業フレーズ言いかえ事典
【書籍情報】
タイトル:使ったその日から売上げが右肩上がり! 営業フレーズ言いかえ事典
著者:菊原智明
出版社:大和出版
定価:1,760円(税込)
出版日:2023年12月7日
【なぜこの本を読むべきか】
全営業パーソンに覚えてほしいことがある。
あなたの何気ないたった一言でチャンスを失い、本来なら契約できたはずの顧客に逃げられるという事実が、頻繁に起こっていることを。
本書は、営業のシーン別に「売れるフレーズ」「心が動くフレーズ」を着実に身につけていく方法を紹介した一冊だ。
本書は以下のような方にオススメしたい。
紹介したフレーズをそのまま使ってもいいし、自分のキャラクターに合わせてアレンジしても構わない。
たったひとつフレーズを言いかえるだけで、今までの悪い流れがウソのようにいい方向へと変わっていく。
【著者紹介】
菊原智明
営業サポート・コンサルティング(株)代表取締役。
トヨタホームに入社後、約600名の営業マンの中でMVPを獲得。
2006年に独立し、現在は経営者や営業マン向けのセミナーやコンサルティング業務を行っている。
著書に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』『「売れる営業」に変わる魔法のトーク』など多数。
【本書のキーポイント】
📖ポイント1
顧客にアプローチしても反応がないのなら、「どのように言われたら気がラクになるか」を考えよう。
📖ポイント2
商談をうまく進めるコツは、顧客が抱いている「面倒だ」という障害を取り除くことである。
📖ポイント3
見込み客やリピート客が増えないのは、あなたが「追加の仕事がもらえる雑談」をしていないからかもしれない。
【1】顧客に「アプローチ」しても反応がない……
プレッシャーを与えないアポのとり方
アポを取るうえで重要なのは、顧客の立場になり「どのように言われたら気がラクになるか」を考えることである。
たとえば、あなたが生命保険の営業をしているとしよう。
顧客に対し、『得する保険の入り方 7つのポイント』といった無料資料をメールで告知したとする。
興味のある顧客なら反応してくれるだろう。
その際、新規であれば「住所確認でお電話させていただきました」と言い、すでに関係のある相手であれば「〇〇様、メールありがとうございます」と言って電話をすることがおすすめだ。
実際に声を聞くことで、「いま話をしていいのか」「いまはそっとしておいてほしいのか」という判断がつきやすい。
そして大丈夫そうなときは、
と言ってみよう。
「何かのついで」というニュアンスを伝えることで顧客の負担が軽くなり、アポの取得率が何倍にも跳ね上がる。
ちなみに、「いまから資料を持っていきますので説明させてください!」と迫ってはいけない。
返される言葉は「いや、送ってもらえればいいから」の一言に収まるだけである。
プレッシャーを与えるような発言は控えよう。
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真剣に話を聞いてくれる接し方
顧客にイチオシの商品を紹介するとき、営業パーソンとしては「うまく説明して売りたい!」と思うのは当然だ。
しかし、その高鳴る気持ちをグッと抑え、まずは「これから〇〇の説明をしてもよろしいですか?」と顧客から承諾を取るようにしてほしい。
仮にあなたが「コスパの良さを説明したい!」と思っていたとしても、すべての顧客がコスパのいい商品が好きというわけではない。
顧客は本当は別のことを聞きたいのに、あなたが一方的に商品のコスパを説明していたらどうか。
「なんで私の興味がない話をするんだろう。ダメだな」と見切りをつけられても仕方ない。
一方、説明する前に「これからコスパのいい商品について説明してもよろしいですか?」と聞いていたらどうだろう。
興味がある顧客は「お願いします」と言うだろうし、興味がなければ「それは必要ないので大丈夫です」となり、もっと興味のある内容を引き出すことが可能になる。
つまり、営業パーソンは不必要な説明を省くことができ、顧客も聞きたくない話を聞かなくてすむといった、双方メリットのあるトークができるようになるのだ。
また、承諾した以上は話を真剣に聞く義務が顧客に生じる。
飽きっぽい性格であったとしても、10分程度ならしっかり話を聞いてくれるようになるだろう。
ぜひ、事前に許可を取ることを心がけてほしい。
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天邪鬼の顧客をその気にさせる
顧客の多くは、営業に対して天邪鬼(あまのじゃく)になるものだ。
特に家の建て替えというものは見極めどきが難しく、「建て替えるか? それともリフォームにするか?」と迷う顧客も少なくない。
ここでは、当時新築の営業マンだった著者の体験談をもとに説明しよう。
著者は顧客Aに対し、なんとか新築の方向に行くよう誘導していた。
新築の話をすればするほど顧客Aは頑なに否定し、結局話は消えてなくなった。
その後、以前と似たような「新築かリフォームにするかで迷っている顧客B」と出会う。
古い家ではあるが、そのままでもしばらくは住んでいける建物だ。
そこで著者は、以前と言い方を変えることにした。
顧客Bは自ら新築の方向へと話を進め、結果的に契約となったのである。
契約後、著者は顧客Bに理由を聞いてみた。
すると、「他社の営業が最初から『建て替えたほうがいい』と言っている中、著者だけが『建て替えなんてもったいない』と言ってくれたことで信用できた」と語ってくれたそうだ。
そもそも自分の所有物を否定されて気分のいい人はいない。
迷っている顧客に対しては、まずは持っているものを褒めてあげよう。
その際は、著者が使ったように「もったいない」「まだ住める(使える)」という言葉も効果的である。
ただ忘れないでほしいのは、自分の利益ではなく、顧客の利益を最優先すること。
「それではチャンスを無駄にするのでは?」と不安に思うかもしれないが、ほとんどの顧客はあなたの前にいる時点で「できれば購入したい」と考えている。
あなたが「まだ使えそうですが」と言ったとしても、顧客は「実は中身はボロボロで……」と本音を話してくれるようになるはずだ。
話を進めるのは、その後でも遅くない。
【2】どうすれば「商談」をうまく進められるのだろう……
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