
夢をかなえる失敗学 失敗すればするほど成功できるビジネスの法則
【書籍情報】
タイトル:夢をかなえる失敗学 失敗すればするほど成功できるビジネスの法則
著者:中村誠
出版社:KADOKAWA
定価:1,760円(税込)
出版日:2024年5月2日

【なぜこの本を読むべきか】
生きていれば、誰しも失敗は訪れる。
失敗はつらく、できることなら避けたいと思うだろう。
しかし、覚えておいてほしい。
失敗したときこそ、チャンスだということを。
本書は、著者自身の失敗経験をもとに、「失敗から学ぶ成功術」「失敗をリカバリーする方法」を紹介した一冊だ。
本書は以下のような方にオススメしたい。
■お金で失敗した……
■仕事で失敗した……
■自己成長で失敗した……
失敗するからこそ、人は前に進める。
そして、失敗をひとつひとつ潰していけば、その先には成功しかない。
大丈夫。
あなたの失敗も、きっとプラスに変えられる。

【著者紹介】
中村誠
株式会社REXLI代表取締役社長。
名古屋大学経済学部卒。
LINE公式アカウントの機能に付加価値をもたらす「Lステップ」を活用したビジネスプロデュースの第一人者。
数々のビジネス系インフルエンサー大手企業、芸能人のLINEプロデュースの実績を誇る。
前著に『無敵の稼ぎ方』がある。

【本書のキーポイント】
📖ポイント1
お金がないとき、まず見直すべきは固定費である。細かいお金をバカにせず、「本当に必要か?」といった視点で、ひとつひとつ見直そう。
📖ポイント2
問題が複数あるとき、必ず優先順位を決めなければならない。そして、取りかかる順番を決めたら、一点に向けて全力投球しよう。
📖ポイント3
時間の捻出は、思ったよりも簡単にできる。たとえば夜10時以降、あなたは何をしているだろうか。

【1】「お金」で失敗したときのリカバリー術

なぜか口座にお金が残っていないワケ
著者は、Lステップを活用したビジネスプロデューサーの第一人者である。
Lステップとは、LINE公式アカウントを使った集客やマーケティングを効率化してくれるツールのことだ。
著者がLステップ事業を始めてから、業績はずっと右肩上がりで、年商3億円まで到達していた。
しかし、事業を始めて5年目の頃、手元にお金がない状態、名付けて「意外と手元にお金がない現象」に陥ってしまう。
原因は、売上が落ち込んだこと、そして、とにかく出ていくお金がすごいことの2点が挙げられる。
売上については、次章で述べることとする。
出ていくお金については、毎月の売上が2000万円なのに、2000万円がそっくり出ていくことがザラにあった。
もっといえば、2000万円入って2500万円出ていくこともあった。
つまり、支払いが売上を上回る状態。
なぜ、そのような状態になってしまったのか。
理由は、大きく分けて2つある。
1つ目は、事業が急成長するとき、大きく回り始めたときは、出ていくお金も大きいということ。
たとえば、仕事が立て込んで目の前の仕事を納期に間に合わせるため、フリーランスの人に特急料金を払ってやってもらったりなどが挙げられる。
そのような繰り返しで、瞬く間にお金が消えていったのだ。
2つ目は、お金がガンガン入ってくると、どうしても管理が緩くなってしまうということ。
大きなお金が入ってくると、小さな出費は油断してしまいがちになる。
著者の周りの経営者を見ても、「帳簿上は営業利益が1500万円あるのに、入金ベースだと赤字」みたいな話はよくある。
その結果、資金繰りがショートして倒産するケースも、実は少なくないのだ。
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お金がないとき、まず見直すべきは「固定費」
とにかく、お金がない状態では経営が立ち行かない。
覚悟を決めた著者は、金融機関から5000万円ほどの融資をしてもらった。
5000万円がすぐに必要だったわけではないが、持っていることが大事なのだ。
資金に余裕がある状態を手に入れたことで、ゆとりを持って考えることができるようになったのである。
その後、著者は固定費の見直しに取りかかった。
固定費とは、家賃や人件費など、必ずかかる経費のことだ。
細かく見たところ、30万円から60万円の間のムダな固定費が多いことに気づく。
たとえば、
■全然活用していない広告コンサルタントに20万円
■個人の家賃に60万円
■お手伝いさんに50万円
など、こうした固定費の積み重ねが、結果としてすごい額になっていたのである。
固定費の見直しのコツとしては、「細かいお金」をバカにしないこと。
今はサブスクもあれば、SNSの有料サービスもある。
そういった細かいものも含めて、「これは本当に必要か?」という視点で、著者はひとつひとつ見直していった。
すると、「ここは仕事を出したときに支払えばいい」とか「これはいらない」というものを仕分けすることができたのだ。
結果、一気に固定費が削減でき、2〜3ヶ月で500万円を削ることに成功したのである。
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「適正価格」という概念
固定費の次に見直したのは、外注費だ。
著者が行っている事業の場合、ひとつの制作物を完成させるのに、以下の行程を踏む必要がある。
➀クライアントから案件を受注
②ひとつの案件ごとに、ライターやデザイナーなど、それぞれのエキスパートを2~3人集めてチームを作る
おおよその目安はあるものの、仕事量や納期によって報酬は変わる。
そのため、「だいたいこのくらいだろう」とどんぶり勘定で払っていたのだ。
全然働いていない人に30万円払っていたこともあった。
逆に30万円しか払っていないのに、その倍以上の仕事をしてもらっていたこともあった。
原因は、著者が決めるべきところを決めていなかったことにある。
これまで外注費は専属契約のスタッフが決めていたのだが、本来は経営者である著者が判断すべきこと。
見直しを始めて以降、著者はひとつひとつ全部チェックし、「適正価格」で払うようにした。
外注費を決めるときは、「この仕事でいくら残したい」という自分の取り分をまず決めて、そこから逆算していく組み立て方をしないといけない。
難易度の高い仕事の場合、「メンバーも大変だろう」と、つい多めに払ってあげたい気持ちもあるだろうが、会社自体が傾いてしまっては本末転倒。
なんにせよ、「自分の求める基準」を決めておかなければならないのだ。
こうして経費全体を見直したことで、毎月の売上から経費を引いて、10%から15%程度を内部保留として残すことができるようになったのである。

【2】「仕事」で失敗したときのリカバリー術

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