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生体異物除去食はブドウ糖補給が必要不可欠

脳性麻痺児の摂取カロリーは1日最低3300㎉

脳性麻痺の私の子供の体調が良かった時の食事内容を見てみると、私の2~3倍の食事量でした。筋肉の硬さと活動量の多さ、言葉の出方や発達度合いを比べるとある一定の数値が見えてきました。

それが1日の総摂取カロリー3300㎉です。
現在は6歳、身長121cm、体重27.4kgですが体がもっと小さかった時でも同じくらいでした。3歳の時もこのくらいのカロリーを摂取しているときは発達しそれ以下の場合は低緊張やてんかん様発作の症状が出ていました。

1日の総摂取カロリーが1300㎉を下回った日の次の日はてんかん発作を起こしていて、夜間の低血糖を防ぐためにブドウ糖を補給し始めると改善し、日中も足した方がいいということに気づいてからはさらに良くなりました。

糖を補給し始めた2年前から発達は進み、発作を起こさなくなりました。

と言っても、植物をほとんど除去しているので肉や魚を中心に食べているとどうやってもカロリーは足りないんです。私の子供はこのくらいの焼肉はぺろりと食べます。

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大人が残すような大量のお肉でも真っ先にかぶりつき、500gのステーキなら15分くらいでペロリです。

高速道路のサービスエリアでもこのくらいのお肉はおやつ。この時は自分の分を食べた後に私のステーキを奪って食べました。晩御飯なら肉3枚は普通です。

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となると、どうしてもブドウ糖を足さないと間に合わないんです。

この時重要なのは「脳の栄養はグルコース!」ということ。だからこそ単糖類を補給したい!二糖類以上の糖を取ると二糖類分解酵素が分泌されちゃうし、それは避けたほうがいいと思うんです。

実際に協力者の一人は「植物を避けたら心臓の動機息切れが酷くて体が浮腫んでしんどくなった。その時コンスタントに食べていたアイスクリームやお菓子をやめてブドウ糖を食べるようにしたら症状が改善した」ということがあったので、このことにいは意味があると思います。

ただ子供に3300㎉を食べさせようとすることはなかなか難しい。

わが家ではこのくらいの回数に分けて食べています。9回全ては流石に無理なので6〜7回食べれればいいかな。

①朝起きておめざ:ブドウ糖3g×5個を水に溶かして飲ませる、もしくはブドウ糖を食べさせる、もしくは飴を舐めさせる

②朝ごはん:卵かけご飯、シーチキン
③おやつ:おせんべい、もしくはブドウ糖3g×5個を水に溶かして飲ませる
④お昼ご飯:ごはん、シーチキン
⑤おやつ:シーチキン、お餅、もしくはブドウ糖3g×5個を水に溶かして飲ませる
⑥夕飯:シーチキンもしくはお肉、お餅、さらにブドウ糖3g×5個を水に溶かして飲ませる
⑦夜ご飯:お肉、お肉、お肉
⑧夜ご飯2回目:焼き魚2切れ、ごはん、のり
⑨夜食:お餅、ごはん、シーチキン、ブドウ糖3g×5個を水に溶かして飲ませる
⑩夜間:1~2時間ごとにブドウ糖3g×5個を水に溶かして飲ませる

基本的に肉か魚しか食べていないので普通の人からしたら「バランスが悪すぎ!」と思うと思いますが大丈夫。そして「シーチキン食べすぎじゃ?!」と思うと思いますがそれもまたこのくらいでないとアミノ酸が足りなくなっちゃうんです。

とにかく食べて食べて食べさせるのみ!食事がとれていない場合は、その代わりにブドウ糖水溶液をガンガン飲ませます。その日の総摂取カロリー量が大体どのくらいなのかをなんとなく考えながらお世話をするんです。


生体異物除去食は案外普通の和食です!

実際に何を食べているの?とよく聞かれるのでご紹介しましょう。

家で食べるご飯はこんな感じ。

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おかゆにシラスと梅ペースト。カツオの照り焼きと味噌汁。白菜の浅漬け。

生体異物除去食は野菜断ちをするとはいえ、調理を工夫することで食べられるものもあるのでこうやって見たら案外普通の和食だと思います。

鮭もよく食べます。焼いてあげるだけでいいので料理の下手な人でも生体異物除去食は簡単!

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というか、逆にあまりいろいろこだわったことができないんですよね。味付けに使えるものも少ないので。

お肉も焼くだけ。

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煮ものの場合は圧力なべで。高圧、高温、長時間調理、発酵などによってレクチンを壊していきます。作り方は簡単。切った食材と調味料を電気圧力鍋に入れてスイッチを押すだけ。大根はアブラナ科なのでレクチンが比較的少ないです。それでも加熱して食べたほうがいいです。

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海老は大好物です。キャベツは加熱すればアブラナ科なので食べられます。

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おにぎりは大好物。その代わりお米を炊く直前に精米して上白にします。おコメの品種は低アミロース米。小さめに握ってあげると喜びます。

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カツオやマグロは大好物です。あらかじめ味をつけておいてどんぶりにのせてあげると喜びます。キャベツの塩漬けがあるとモリモリ食べます。

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しらす!サーモン!マグロ!の3色丼は一気食いしてくれます。

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鶏肉を焼いたのと茹でキャベツてんこ盛り!なんのひねりもありませんが美味しいお醤油さえあれば大丈夫!

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見ての通り、生体異物除去食は

・焼く
・煮る
・茹でる

くらいしかできません。

そして調味料として使えるものも少ないのです。

・塩
・醤油
・味噌
・酒
・サラダ油
・バター
・酢
・甜菜糖
・マヨネーズ
・梅ペースト
・昆布だし
・かつおぶし

くらいしかありません。

となると美味しくしようと思ったら、食材そのものの質を上げる以外方法がないのです。新鮮で旬のものを食べましょう!


生体異物除去食を外食で!

外食する場合はお店が限られます。

・お寿司屋さん
・焼肉、ステーキ屋さん
・ラーメン屋さん
・定食屋さん
・フライドチキン屋さん、唐揚げ屋さん

以上です!それ以外はなかなか難しい!喫茶店も入れません!

海鮮丼専門店やカツオのたたきの専門店はよく行きます。海鮮丼の場合は「薬味は要りません」というと良い部分をたくさん盛ってもらえるので幸せな気分になれます。

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通常はこのお店ではこのような形で薬味がのります。ゴマ、大葉、つくだ煮が食べられません。魚の脂をとることはとても良いのですが、みりんが入ったタレも食べられません。まっとうな醤油か塩のみでいただきます。

これは絶対にダメ!!ゴマ!最悪!

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ゴマを食べた次の日からよだれがドバドバでて低緊張が強くでました。見た目は美味しそうですが、今はもう私には危険物質の塊にしか見えません。


焼肉屋さんの場合は、頼める部位が限られます。

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生体異物除去食の人が食べれる部位は牛ならロース・カルビ・ツラミ。鶏肉ならせせりともも肉。

終わりです。タン塩もホルモンも食べられません。

ちなみに写真の左側のお肉はハラミです。ハラミは横隔膜なのでほとんど内臓です。でも内臓に近くない部分のハラミをお願いしますと言って注文すると普通に食べても被害はあまりないです。子供が喜んで食べるのでハラミは「場所によってはOK」としています。

そして牛肉の脾臓はチレと言いますが、これはフェリチンを多く含んでいます。フェリチンは鉄分の外側のカバーの役割をしてくれるものです。血液検査をするといつも鉄の値が低いです。ということはフェリチンは必要不可欠です。

焼き肉屋さんに行くときは「チレ4人前」を頼むと子供がほとんど一人で食べます。

家でもチレを食べることがあります。チレの焼肉!美味しい!私も大好きです。

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ただし次の日のウンチが真っ黒になるのでびっくりしますが。その色はまさしく#000000かというほどの完全なる黒!(←言い過ぎ)

これはチレが含んでいる血によるものなので驚かなくても大丈夫です。食べた量によりますが3~5日間は黒いうんこが続くことがありいます。

ラーメンの場合はカンスイを使ってアルカリの力で小麦のグルテンの細胞膜を壊してあれば食べられるのですが、それだとかなり黄色い麺のはずです。魚介スープやあまり野菜を使っていないラーメンなら食べることができます。もちろん人口甘味料を大量に使ってあるチェーン店のラーメンやもやしをてんこ盛りにしてあるようなもの、キクラゲやコーンやトマトのトッピングがあるようなものはアウトです。胡椒や一味唐辛子、おろしニンニクをトッピングすることはできません。

詳しくはこちらを確認してください。

唐揚げの場合はあまりこだわっていないお店の方がいいです。「柔らかくするためにトレハロース水溶液につけてある」とか「むね肉を限界まで柔らかく食べさせる」とか「太白ごま油であげてある」とか「しょうがをベースにしただしのタレに3日漬け込んである」というこだわり満載のお店の唐揚げは食べられません。鶏肉で食べられる部位はせせりともも肉しかないので、唐揚げも「もも肉一択」です。胡椒や唐辛子も食べられないので、辛みダレなどを使ってあるものも食べられません。

だから味付けがワンパターンになりがち。

とにかく肉!

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肉!

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肉です!

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肉ばかり食べている!

生体異物除去食をはじめようと思っても、結構食べられるものの種類が少ないので知れば知るほどテンションが下がると思います。美味しいと言われているものほど食べられない。だけどゴルジ体病に関わる人はこれらを除去すれば状態が良くなる場合があります。


生体異物除去食はただ除去をするだけでは完成しません。

・レクチンの多い食材を避ける(双子葉合弁花類、肉の内臓など)
・シトクロムを阻害する食材を避ける(ピペリン、カプサイシンなど)
・アロマターゼを誘導する食材を避ける(クエン酸など)
・植物性エストロゲンを避ける(未発酵の大豆製品、小麦製品など)

これらすべてを除去した後に、「大量のブドウ糖を足す」という作業が必要になってきます。なぜこんなにたくさんの食品を食べなければならないのかというと、脳のエネルギーが足りないと脳に新たな障害ができるからです。

脳性麻痺の赤ちゃんの場合は信じられないほどの糖質を脳で消費しているので、「脳性麻痺だとわかった時点で大量に糖を補給すべきだったのではないか?!」と私はずっと考えていました。

そして糖質を正しく補給できれば、今からでも知的に発達させることは遅くないと思っています。事実、私の子供は糖質の補給量を上げたころから急激に賢くなってきました。

できることが格段に増えたのは、1日の最低摂取カロリーを3300㎉に設定した頃からでした。もっと大きくなればさらに増やす必要が出てくると思います。そんなに食べたら太るのでは?と思われると思いますが、与えれば与えるほど逆に痩せて筋肉がついて身長が伸びました。

脳は糖を必要としているんです。夜間低血糖を回避する以外にも、昼間の糖質補給も意味がある。

これは自閉症も発達障害も認知症にも言えることだと思います。


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