河内者隠遁
いま小生の住む家は築70年を過ぎた古民家である。というと素敵な和風建築をイメージする人もいることだろうが、時代ごとに予算の許す範囲で部分的にリフォームがくわえられており、変な間取りのボロい家となっている。
田舎ゆえ大きな畑つきである。尤も、小生の越してきたときには雑草だらけで畑とよんでいいのかわからないありさまだった。
越してはや10年を経過したいまでも雑草だらけなのはすべて小生の怠惰ゆえである。
引越した当初は家にネットも繋がっておらず、しかもなにを思ったかスマホではなくガラケーを使っていたので知り合いもいないこの田舎では畑でもやらないとやることがないと、まだ洗練されていないタッチのキティちゃんのシールが貼られた物置きから見つけた錆びた鍬やらスコップやらでよく知らない農作業をこころみたものだ。
ところが小生は生まれつきアトピー肌。
のび切った雑草を親の仇のように朝から昼食のしたくの時間になるまでむしりにむしっていたら、草負けで異様に体が痒くなり、おまけに知らぬ間に虫に刺されまくっているのにも閉口し、2ヶ月かそこらで畑、わしには無理やな。と錆びた鍬をそっと置いて家に引き篭ったのであった。南無三。
寿命がのばせます。