今日覚えたい文法
主語代名詞
「主語代名詞は単独では使えない」という事実はご存知ですか。
je や tu(の音)は直後に活用した動詞が来るから、「ぼくは」や「きみは」と認識をしてもらえるのです。
直後に置かれる動詞が活用していなければ、je や tu(の音)は主語代名詞と認識してもらえる可能性は、かなり低くなります。
je - avoir(文字ではなく音の話です)
il - aller(文字ではなく音の話です)
学習項目の順序のせいで、わたしたち日本人学習者は自分のことを je、眼の前の親しい人を tu、横にいる男性一人を il と認識している気がします。
それは学習者としての都合であり、ネイティブの感覚は違います。
では、「わたし」「ぼく」「あんた」「きみ」「かれ」はどういう語を使えばいいのでしょうか。
ネイティブが考える一人称(わたし、ぼく、おれ…)は je ではなく moi なのです。これを代名詞の強制形と呼び、最初に教えないのは僕たち教育者側のミスです。
全フランス語教師を代表して、お詫びを申し上げます…
名称問題はさておき、
一人称単数は moi、親しい二人称単数は toi、三人称単数男性は lui、女性は elle
一人称複数は nous、二人称複数や親しくない二人称単数は vous、三人称複数男性(含む)は eux、三人称複数形女性は elles
ここから始めるべきです。
je - aller - avec il - cinéma - hier よりも
moi - aller - avec lui - cinéma - hier の方が理解される率は高いはずです。(le Ciel フランス語教室調べ)
je の後には活用した動詞が置かれる
je の後に動詞の原形が置かれることは絶対ない。
そもそも「主語」という文法用語は、次に「動詞」が置かれることを前提に成立している。
フランス語において、主語に次に置かれている動詞が活用していないことは絶対ありません。活用している動詞の直前に置かれる単語は、動詞ありきで初めて「主語代名詞」が使えるのです。je ありきではなく、直後の動詞ありき。
je… je… と考えている人は動詞を探している人。
moi… moi… と考えている人は、動詞以外のもの(全体的な構造や、数字や、その時の様子…)を脳内で探していると考えて問題ありません。