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今日覚えたい読解

ノーベル文学賞を受賞された アニー・エルノー Annie Ernaux の大ヒット作「シンプルな情熱」の一節です。

À partir du mois de septembre l'année dernière, je n'ai plus rien fait d'autre qu'attendre un homme : qu'il me téléphone et qu'il vienne chez moi.

https://booknode.com/passion_simple_017663/extraits

「正しく」解釈できますか?
文学を味わうって楽しいですが、細部にまで注意を払うとかなり骨が折れます。

・À partir du mois de septembre l'année dernière:去年(の)9月以降
à partir de は前置詞句で「〜以降」
le mois de「〜の月」この表現でに重みが出ている(のだと思う)
(de) l'année dernière の de がないのは de の連続を避けるため(だと思う)

・je n'ai plus rien fait:もうそれ以上何もしなかった
ne - plus は「もう〜ない」「もはや〜ない」「今では〜ない」
ne - rien は「何も〜ない」
ne - plus rien で「もう何も〜ない」

・rien d'autre:他に何もない
中性代名詞 rien に形容詞を付ける場合は、クッションの前置詞 de は挟む

・autre qu'attendre un homme:一人の男を待つこと以外の他の
autre que はまとめて覚えましょう。
attendre un homme はまだ説明していない「とある一人の男」読者との共通認識はまだ生まれていないのです。

・qu'il me téléphone et qu'il vienne chez moi.:その男がわたしに電話をくれるか、わたしに会いに来てくれるか
que 節の中の動詞が接続法になっています。これは attendre que と感じさせるための作戦(だと思われます)。
attendre que 主語 + 動詞(接続法):que 〜 を待つ、期待する

個人的には、attendre がなくても que の中が接続法になっているだけで「感情」を感じます。

こんな事を考えてしまうから、文学作品をじっくり味わえないし感じられないのですよねぇ。分析グセが邪魔をしてしまいます。

ご参考まで

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