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今日覚えたい読解

「頂き女子」がフランスでどう報じられたか。

Cette jeune femme condamnée pour avoir escroqué trois hommes en jouant sur leur amour pour elle a vu sa lourde peine de prison réduite de six mois. Elle doit aussi payer une amende :

こんなタイトルで報じられた「頂き女子りりちゃん」の記事です。
読解力が問われる表現満載のフランス語です。
では、一緒に読んでいきましょう。

Cette jeune femme condamnée:有罪を宣告された若い女性。
26歳なので jeune fille ではなく jeune femme なのです。

pour avoir escroqué trois hommes:3人の男を騙す、手玉に取る。
「pour + 動詞の原形」は目的を表すのですが、「pour + 動詞の複合形」は理由・原因を表します。「男を手玉に取る目的で」ではなく「男を手玉に取ったという理由で」なのです。

en jouant sur leur amour pour elle:彼女に向けた「愛」を弄び(もて遊び)ながら。
ジェロンディフ en jouant で場面を表現しています。そういう状況が続いてあったのですね。「弄ぶ」に jouer が使われているところも興味深いです。
sur でそこを基準にしていることがわかります。本来の意味は「接している」ですからね。男たちの愛に根を張っているイメージです。
pour は「向けた・対した」で問題はないと思いますが、「等価交換」という考え方を持ち込んでも面白いでしょうね。「彼女と引き換えに」という訳です。

a vu sa lourde peine de prison réduite de six mois:6ヶ月減らされた、自分の重い罪を目の当たりにした。
ここで注目したいのは "réduite de" という表現です。"réduit à" であれば「6ヶ月に減らされた」という意味になるはずです(ネイティブには未確認ですが、ここは "réduite de" なので、「変化・差異 のde」と解釈ができます。de 以降の数字が変化したのです。「6ヶ月に減った」ではなく「6ヶ月減った」のです。

Elle doit aussi payer une amende:罰金を払うことになっている。
動詞 devoir は感情的に「〜しなければならない」ということを伝えるだけではなく、ルールとして「〜という手筈である」と解釈も可能です。裁判の記事では「ルールや決め事」が伝えられるはずですね。

さて、正しく読めていましたか?
雰囲気や日本語訳ではなく、文法力を駆使して細かく読んでいないと内容は正しく理解しているとは言えないはずです。

勉強をする材料は、どこにでも転がっているのです。

ご参考まで

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