今日覚えたい語彙
大聖堂って何?
フランス第2または第3の都市 "Lyon" の丘の上にある目立っている大きな教会は、フランス語では "Basilique Notre-Dame de Fourvière"、日本語では「フルヴィエール大聖堂」と呼ばれています。
辞書で「大聖堂」を調べてみましょう。
フランス語の cathédrale は一般的に「大聖堂」と訳されます。それは cathédrale には司教座(主教座)があるからなのです。
cathédrale には司教座(主教座)があり、その訳語である大聖堂にも司教座(主教座)があるのです。
決して、大きい聖堂だから「大聖堂」ではないということです。
では、フランスの都市 Lyon のどこに司教座(主教座)があるのでしょうか。
それは、丘の上にある「フルヴィエール大聖堂」ではなく、丘の下にある "Cathédrale Saint-Jean (Baptiste)" なのです。(それはそうです、cathédrale という名前がついているのですから)
では "Basilique Notre-Dame de Fourvière" は cathédrale ではない(すなわち「大聖堂」ではないということですね。
でも、そこにもあそこにも、至る所の情報に「フルヴィエール大聖堂」と書いてあります。なぜでしょう?
わからないですが、最初の誰かの「誤訳」が広まったと考えるのが自然でしょうね。
もしくは「大聖堂」の意味が、辞書では記述されていない別の解釈もあり得るのか、そのどちらかと考えられます。
では、basilique とは何でしょう。
1. バジリカとは古代ローマ帝国の大長方形の公共建築様式を指し、その同じ様式で建てられた聖堂をバジリカ式という。(…)
2. カトリック教会に固有の意味では、教皇により免償その他の特権を与えられた由緒ある聖堂を指す。
建築様式の話なのですね。
ということは、cathédrale にして basilique ということがありえるのでしょうか。
とにかく!
Lyon の丘の上にあるのは Basilique Notre-Dame de Fourvière であって、「大聖堂」ではありません。少なくとも cathédrale ではないということです。
ちなみに、パリの「サクレクール寺院」の正式名称は
la Basilique du Sacré-Cœur de Montmartre
です。
今日はフランス語の話ではなく、テレビ番組のちょっとしたミスが気になり、時間を掛けて調べてみたうんちく話でした。
ご参考まで