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#01 自分とか、ないから。/しんめい P【100冊リレー 】
1月頭、風邪のようなインフルエンザのような症状にやられ、2025年は年明け早々2週間近く寝込むことになった。そんな時にポチッと購入したのがこの本。
実は年末に本屋さんでちらりと見かけたときから気になっていたものの、なんとも怪しげなタイトルに購入を足踏みしてしまっていた(作者の方ごめんなさい)。
2週間も寝込むとなんだか頭も心も総入れ替えされたような気持ちになり、新しい考え方を取り込みたくなり、哲学に関する本を何冊か読んでみようと思った。
そこでこのタイトルがやはり今の自分にしっくり来るような気がしてやはり購入したのだった。
この本のなにが良いって、とにかく作者のワードセンスが天才的で超笑えるところ。私も寝床でなんども声を出して笑わせてもらった。ちょうど身体は元気になりつつも気分は鬱屈としかけていたとき。携帯の画面をじっと見るのはまだしんどいし、小難しい本を読むほどの体力も戻ってないし…そんな回復期に読むのにうってつけの本だった。
東洋哲学というとなんだか小難しくて崇高で足を踏み入れるハードルも高く感じるところを、この作者にかかればすべての話がなんだか身近に感じられるのがすごい。たぶんそこまで深くを理解できた訳ではないのだけれど、いつの間にか東洋哲学への小さな愛着みたいなものが育っていった気がする。
2週間ぶりに出社して人に会えたのが嬉しかったせいか、勢いに任せてこの本をいろんな人にオススメしまくってしまった。何人か実際に読んでくれたのだが、やはりみんな笑いながら読んだらしい。その後、「それってタオイスト!」「それさえも空(くう)やな」と、ちょっとした東洋哲学ワードブームが職場で沸き起こった。
(中には「途中から難しくなってきて最後までまだ読めてません…」と言う人もいて、そこで初めて自分は相当に本を雰囲気で読むタイプであると気づいたりもした。)
まあ、なにはともあれ(?)この世のすべての物事を深く正しく理解するのは難しいし、そうしようにも人生が何年あっても足りないけれど、こんなふうに自分の知らない世界を少しでも、それも身近に感じられるように垣間見させてくれる本に出会えるのはうれしいこと。きっと次にお寺に行った時なんかには、少し見るポイントも変わってくるはず。そんな経験を経ながら、また時間が経った時にもう一度読んでみたいと思った。
ちなみに私が1番心に残ったのは、なんといってもブッダがともすればちょっとダメ男というところと、すべての現実はフィクションであるというぶっ飛んだ捉え方である。これから少しばかり辛いことがあったときは、「これもフィクション、フィクション」「あのブッダだってちょっとダメなとこあったし」と、少し心を軽やかに過ごすことができそう(それでいいのか?)。
と、いうわけで、1冊目の紹介は以上とします。
改めて、自分の呼んだ本の感想を言葉にするのって難しいですね。これは良いトレーニングになりそうだ…。
興味がある方はぜひ読んでみてください。興味のない方は今日も良い1日をお過ごしください。
お読みいただきありがとうございました!