僕と薬のうつ日記 4年目その5 「キラキラグループでの事」
続くときは続くもので、このタイミングでもう1つ異性の話。
A社を辞め、Uさんとも別れた後の事。
長引いた体調不良も少しずつ回復しはじめてたときのこと。
地元友達から久しぶりに飲み会の誘いがあった。
こんな僕ではあるが地元友達のグループは2つあり、1つは小学校ベースの男グループ、もう1つは高校ベースの男女混合グループだ。
地域的にわけると両者の違いは、自宅からみて幹線道路の向こう側と、手前側に分けることができる。ちなみに後者は向こう側。
両者は近いが、人の雰囲気は全く異なる。
人付きあいが苦手で日陰気質な小学校グループに比べると、男女混合の高校グループはある意味、太陽キラキラグループである。
今回誘ってくれたのは、キラキラ高校グループだ。
彼らと具体的に遊び出したのは卒業してからだった。
皆、お洒落で遊びや流行に敏感。
年相応の世界という感じで終末になると誰かの家で酒飲んだり、夏になればみんなで海行ったり川でBBQしたりとワイワイした。
なんで僕がこういう人達の輪にいたのか不思議だったが、若者らしい遊びを多く体験をさせてもらったこと、多種多様な職業や人柄の人達と会わせてもらった事に感謝している。
この不思議な縁は、高校の同級生で人間のジャンルが全く違うCが、僕に声をかけてくれはじまった縁だ。
Cについて尊敬と感謝することは沢山ある。
Cの人柄を解説すると長くなりそうなので今回は割愛する。
だがこのキラキラグループと遊んでるとき、内心僕だけ外宇宙からきたような気持ちになり、彼らが何を考えているかわからず不安だったのも本音だ。
(子供の頃からどこへ行ってもわりと同じなんだけど)
彼らは本当によく集まっていた、本当に仲良しなんだなと思った。
でも、いつの頃からか裏で互いの陰口を言うことが頻繁になった。
僕は少し俯瞰した立場で見ていたから、あんなに仲良かったのに「え?なんで??」と思いショックだった。
その後、僕だけ少し違う道に進んだこともあり、徐々に疎遠になっていってしまった。
だが、それもだいぶ前の話。
久しぶりなので僕は誘われた飲み会に参加してみることにした。
しかし参加にあたって1つ不安な事があった。
そのグループにいた、男友達Nと女友達Yちゃんとのことだ。
Nはファッションセンスが良くスポーツ万能。
基本落ち着いたクールな性格で、たまにひねくれた冗談を言う愛敬もある。
ただし、僕はつかみどころのない感じもしていて本心は謎なところもあった。悪い人ではない。
Yちゃんは話しやすく料理が上手でおっとりな感じの人。
間違いなくボケ担当。
ちなみに今回の飲み会には女の子は来ないと聞いていた。
だからYちゃんはいない。
このことは疎遠になった後に起きたことで、時間も経ている。
自分が心配し過ぎかもと思っていた。
だが実際心に引っかかっていたという事は、やっぱり自分でも危惧していたことだった。
飲み会は普通に進行していた。
僕は体調が全快でないため、酒はすする程度だったと思う。
トイレに立ったとき、Nが声をかけてきた。
「流葉、わかってるよな?もう済んだことだからグタグタは言わない、1発でケジメつけよう、それで全て終わり」と言われた。
僕は即座に何の話か理解し、「ああいいよ、それで」と返答した。
二人で店外へ出て、薄暗い駐車場へきた。
「じゃあ、やるからな、構えろよ」とNから言われ僕は目を閉じたと思う。
ガチンと音がして頭の中で星が飛び、平衡感覚がなくなった。
次の瞬間、自分の体が横になっているのがわかる。
口の中に広がるジャリジャリとした小石と土っぽい石灰みたいな味。
何か身体にアクシデントが起きたときの味。
子供の頃走り回って怪我したり、それこそヤンキーに絡まれて殴られた時にした味。
大人になって久しぶりに感じた味。
少し懐かしい感じもした。
Nが倒れた僕を起こしてくれ、二人で何事もなかったように飲み会へ戻った。
顔面にパンチ1発。衝撃はあったけど、その後腫れたり、強い痛みも感じなかったからそこまで強くなかったと思う。
とまあここまでは、女性がらみだけど、さわやかな男同士の青春の何かかなと思う話なんだけど。
実際は少し違う。
実に僕らしい体験だったと今は思う。
次回へ続く。
(長くなったので分割しました…)
カバーにchikorizmさんの素敵なイラストをお借りしました。
ありがとうございます。