「見て!聞いて!わたしたちのプロジェクト」@フルスクール探究シェアリング
フルスクールでは、9月26日にプロジェクト探究シェアリングを行いました。のびのびロッジの3部屋を使い、ブース形式で自分が取り組んできたプロジェクト学習について説明します。保護者はもちろん他のクラスの子も参加し、見て聞いてもらうだけでなく質問を聞いて交互にやり取りします。この日は完成した作品や資料を見てもらうだけでなく、技の披露や体験コーナーなどもありました。まだ仕上がっていないけど、途中経過を聞いてもらいたいという取り組みもありました。「プロジェクト学習の探究シェアリングは子どもたちの目の色が違うので、毎回楽しみです」とおっしゃる保護者もいるほど、エネルギーがあふれている日。刺激いっぱいの探究シェアリングの中から当日の様子(+α)を紹介します。
低学年部屋では、2~5年生9組が自分のプロジェクト学習の取り組みを説明しました。その中から2年生の2組を紹介します。
Kくんは「果物のべっこう飴作り」に取り組みました。前回のプロジェクト学習も「べっこう飴」に取り組んでいたので、引き続き2回目のチャレンジです。やる気満々なので、プロジェクト学習が無い日にも「今日材料持ってきたでー」と報告があるほどでした。台所に行き、必要なものを準備し、砂糖を計量するのはお手のもの。一人でさくさくと取り組んでいました。今回は毎回色々な果物を持ってきていたので、果物によって難易度が違ったようでした。キウイの皮を皮むき器でむくのはとても難しかったり、ミカンだとどうしても飴がべとべとになったり、果物を串にさしてなかったため、飴が固まってしまったり、、いろいろな体験をしました。作った後には資料作りをしたかったのですが、あまり進まずリハーサルが出来ないまま探究シェアリングの当日になりました。説明を読むのはたどたどしかったのですが、質問されて答える時には、体験しているからこそ、自分の中から言葉がスラスラ出て来て、楽しそうでした。実際に手を動かしてやったことを伝えるので、うまくいったことも失敗したこともどんなことでも嬉しそうに伝えていました。そんな姿が頼もしく思えました。後日のふりかえりでは「たくさん人が来たから緊張したー」と言っていましたが、「プロジェクトで2回べっこう飴を作ったから満足した」とのこと。自分が納得するまで何度も出来る時間もプロジェクト学習の魅力なんだなと感じました。
HくんとKくんは「アリ」について探究しました。のびのびロッジの周りにいるアリを見つけては虫かごに入れて観察していました。山の上だからか大きなアリが多いのです。図鑑を熟読し調べていたのですが、もっと詳しく知りたいことは、「パソコンで調べる!」と言って、2人でインターネットで調べては、この図を印刷したいとリクエスト。ノートに貼ったり、書いてあることを書き写していました。なかでもHくんは夏休みの間もずっと「アリ」に夢中で、図鑑を見たり動画を見ていたようです。1週間前にリハーサルをしてから、「アリの巣を作ろう」と思いついたようで、他の子も巻き込んで、アリを捕まえて虫かごに入れて探究シェアリング当日を迎えました。作った資料を見せながら説明したり、虫かごに入れたアリを見せて、「見てみて、口うつしをしてるよー」と解説していました。質問されたことに答えるために「ちょっと待ってね、ノートに貼った図を探すから」と2人してノートをめくっている姿からは一生懸命さが伝わってきました。「この図でわかるように、頭の中にこの役割があります」と説明したり、話すことが尽きることなく話し続けていました。後日のふりかえりでは「調べすぎて30分もしゃべったわー」というほど、夢中になって話せたようで、楽しかったようです。夢中になれるプロジェクト学習のテーマを選び、とても充実していた時間だと思いました。
和室では、3年生から5年生まで計13名がブースを構えました。それぞれ、自分の「これが好き!」を紹介する喜びに溢れた時間でした。以下、3組を紹介します。
3年生のKくんは、1年生のときから取り組んでいるナイフ作りです。今回は、皮を細く切り、持ち手部分に巻きつけたものを紹介しました。また、これまでの活動の過程を模造紙に貼るなど工夫も見られました。ヤスリがけをしている姿をよく見かけていたKくん、木肌が本当に滑らかになりました。いつか人参を切れるようになることが目標だと語っていました。ふりかえりでは「たくさんの人がきて話を聞いてくれた。あと、次は何をするかしつもんしてくれた。」と書きました。
4年生YYくんとIYくんは、テーマ学習で興味を持った植物の世界観をそれぞれ紹介しました。パワーポイントを使って、野菜の特徴や栽培方法、体験談を順良く繰り出します。簡単には正解が出なさそうなクイズもたっぷり用意されていました。二人のふりかえりにはこのように書いてありました。
YYくん「前よりも人が少なかった。ただ、はじめてのパワーポイントと楽しかった。やさいづくり、少し難しかった。食べたとき、一番いい空気になっていたと思う。たっせいかんがすごくあった。」
IYくん「いがいとうまくいった。もうちょっとゆっくり話せばよかった。パワーポイントがうまくいった。」
昆虫博士のYくんは、ハチについてまとめたものを紹介しました。世界最大級のハチ「ウォレス・ジャイアント・ビー」の生態を紹介し、クイズを用意しました。またスズメハチのレジン標本づくりにも取り組みました。Yくんのふりかえりは「いがいと人気でびっくりした。ハチのレジンもよかったみたい。」とありました。
探究シェアリングはゴールではありません。この日に対話したことで気づいたことが次のプロジェクトにつながったり、この日に見て聞いて刺激を受けたことで次にやりたいことが見つかったり、と次に続いていきます。次はどんなプロジェクトが出てくるのか楽しみです。(まっきー&ばけい)