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バンビーナのアートの時間

バンビーナでは、毎週水曜日にフルスクールのアート担当のナビ(かわさっきー)を迎えてのアートの時間があります。
日常のこどもたちは基本的に「やりたいときに作りたいものを作る」スタイルのこどもたちですが、水曜日はみんなで時に協力しながら制作することを楽しんでいます。
直近で子供たちが何に興味を持っているかを検討してその日の大まかなテーマは決めますが、当日のこどもの会話の中で方向性が定まっていくのもアートの時間の醍醐味です。
その日のそのタイミングでしかできない作品を見届けるのはとてもナビとしても楽しいひと時です。
そんなアートの時間に作られた作品とエピソードの数々を今回は紹介したいと思います。


ある日のテーマは「おばけ」でした。
大きな紙で作ったことをきっかけにおばけが大好きになったこどもたち。

子ども達が命名「おっばー」
おばけに目や色を付けていくよ
空気を入れると膨らむおばけだよ!!

画用紙でおばけの形を切り取ったり、部屋にあるものにシールで目をつけておばけに変身させているうちに、Aくんが「おばけやしきをするのはどう?」と提案。
お化け屋敷をつくってお客様(事務の人)を呼んで驚かせるという目標が決まりました。
どんな部屋ならお化け屋敷みたいかな?
どんな部屋にしたらお化け屋敷みたいになるかな?
どんな道順にする?どのタイミングで驚かせる?
質問するたびに子どもたちは考えていきます。

僕はここに隠れよう!お客様が机の上の白い箱のおばけを見ているときに驚かすんだ!!

リハーサルとして、まずはナビのかわさっきーがお客様役になってみんなで練習を行った後、いざ本番です。
本番になると気持ちが高ぶり早く驚かせたくなってすぐに出てきてしまうおばけさん、そんなおばけに釣られて出てきてしまうおばけさん、隠れているつもりがしっかり見えているおばけさんがいましたよ(笑)
それでも、回数を重ねるたびにおばけ役の子供たちは「どうやったら驚いてもらえるか」を自分たちで考えていたようでこれにはびっくり!!
怖い顔を作ったり、お客様の足元をそっと触ったり、お客様がより驚くように出るタイミングと出る場所を変えてみたり・・・。
役になりきることで自発的に考え行動している姿にナビやお客様は感心してしまいました。
こどもたちは一緒に同じおばけ役をして実践することで、それぞれの驚かせ方を見て良いところを真似て次に生かして実践していく一連の流れが遊びを通して楽しく行われていました。
(ちなみにこのおばけブームはまだ去っておらず、実は翌週のアートの時間もおばけ製作を楽しみました!!)


また、ある水曜日のテーマは「火山」でした。
毎日のように火山の話をするBくんの興味をみんなと一緒に広げる試みとして取り組みました。
言葉では正確に表現できなくても、Bくんの頭の中にはしっかりと思い描いている火山のイメージ。
それを再現できるように質問をするナビにしっかりと答えてくれました。
作っているうちに、もちろん思った通りにならない場面は何度かあります。基本的に材料はバンビーナの中にある廃材で作っていきます。
この材料が使えそう!と子どもたちと一緒にひらめきながら作り上げていくのですが、使えそうと思った材料がくっつかない、まとまらない、少ない!!などなど思った通りにならない場面は何度かあります。
そのたびに代用できる廃材があるか、違う形にならないかみんなで頭をフル回転です。

抱えきれないほどの丸めた新聞紙が火山の土台になるんだ!
みんなで集まって知恵を絞ります
真っ赤な火山が出てくる場所は何で作ろうかな
新聞紙をまとめるためにロープやアルミを使うなど工夫がいっぱいの火山です


試行錯誤しながらの火山作りを少し離れたところから時折様子をうかがっていたCくん。製作の輪の真ん中にくることはありませんが、ひとりでひもを赤く染めて噴火に見立てたり、紙を固く丸めて作った火成岩を作って火山にこっそり置いていました。
実はCくんは石全般に興味があり、とても詳しいのです。きっと彼は口には出さずとも、数ある火成岩のうちのお気に入りの種類を作って置いたのではないかしら??と推測しました。

Bくんの興味を広げることで始めた火山作りですが、一緒になって考え時にいいアイデアをひらめいてくれる子、工作に協力的な子、観察している子、自分が作りたいように火山作りに参加している子。
いろいろな形がありますが、子どもたちは自分が関わりたいと思う場面で自発的に行動できます。今後のバンビーナの日常でもその瞬間を大切にしていきたいと改めて感じました。

なおこ

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