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Web広告の役割ってなんだろう?

Web広告を「顧客に商品を紹介するツール」だけではなく、「新しい商品の価値を発見するツール」、「商品のファンを増やすツール」として使えないだろうか。
Web広告は広告としてマーケティングの一部である。
しかし現在のWeb広告の運用では直近の売上や売上/コストが重視されマーケティングとしての役割が見失われているように感じている。
本NoteではWeb広告の役割について何ができるのかマーケティング的な視点を踏まえて考え整理してみた。


Web広告の4つの役割

1、既存チャンネルで購買までに離反してしまう顧客への営業活動(ナーチャリング)
2、既存チャンネルではアプローチしきれない顕在顧客に対する営業活動(ロングテール)
3、潜在的な商品の価値を伝えることで、新たな顧客を探索、創造する
4、企業や商品のイメージを作るブランディング活動


1、2、現在最もWeb広告に求められている領域
1Web広告ではAIDEMAモデルのより上流(atention, interest)でユーザーへのアプローチが可能。最後のactionへの導線やモチベーションといった役割を果たすことができる。
2顕在顧客の中でもロングテールにアプローチすることを忘れてはいけない。既存のチャンネルでもアプローチできるユーザーに働きかけたところで、チャンネル同士のカニバリが発生してしまう。1のような例もあるので既存のチャンネルの理解と役割分担など連携が重要になる。


3、今までとは違うユーザー層に商品の新たな使い方、見方を提供し顧客の創造を試みる。
具体例としてはカルビーのフルーツグラノーラが挙げられる。
グラノーラのマーケティング戦略について詳細
https://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/furugura-marketing-goal

Web広告では細かくターゲティングが可能で、PDCAを早く回していけるので顧客に合わせた様々な価値提案を行える。


4、もともとCMなどで行われることが多かったが、近年Youtubeなど動画広告が使われるようになってきて意識され始めている。Web広告はCMと違い狙った層に比較的自由(動画時間長くてもOK)な広告を届けることができる。ただしCMよりも強制力は少なく、ヘイトも買いやすいというリスクが存在。


Web広告で顧客の創造を行うとは

現状Web広告ではCV、CPAを指標に置くことが多い。言い換えると1、2の分野を重視し、いかに安く売上を上げるかが求められることが多い。
しかし私は顧客の長期的成長のためにも3、4の分野が重要だと考える。
Web広告は他のチャンネルよりも小回りがきく。(ピンポイントに小さくアクションを起こせる)またSNSなど双方的コミュニケーションツールを利用するのでフィードバックも他チャンネルよりも多い。これらの利点を踏まえて新しいマーケティングアプローチをWeb広告で小さく試し(3)、上手くいったものを他チャンネルと合わせ大きく宣伝(1、2、4)を打っていくべきではないだろうか。
指標(KPI)単位で考えると効率的な売上(CVやCPA)重視の視点から顧客数や顧客幅の増加(Imp、検索数)の視点に切り替えていくべきではないだろうか。



Web広告運用の3つの落とし穴

そのようなマーケティングアプローチが行えない、行っても続かないのには3つの理由が考えられる。

・媒体種類や仕様の変更・拡張、Web広告での運用に対する需要の急速な拡大によって運用の維持でいっぱいいっぱいになっている
・Web広告の運用で出てくる分析と直近の設定の変更に時間を取られ、長期的な視点が持てていない。
・直近で効果に結びつきづらく、効果のでるCV目標でしか予算が落ちない。

特に直近のデータ分析に時間を割かれると言うことは私が実際に運用していてはまってしまった。Web広告運用では配信面、TG、媒体などの情報がアワリーで取得できる。そんな情報に一喜一憂し、それを分析、設定を変更と行っていたら時間がいくらあっても足らない。

やってみて感じたのは、そんな風にアワリー、デイリーでこまめに調整を加えてもCVにはほとんど影響が出ない。影響が全くないわけではないのでやる意味がないとまでは言えないが、人的コストに対して明らかに成果がついてこないので優先度は限りなく低いだろう。

学んだことは、Web広告運用はスピード感が早く、変化も激しい。そんな中で目的を常に意識して目的に対し効果的な施策はどれか?優先度が低くやらなくていい施策はどれか線引きを行うことが必要だ。

Todoとしては

まずは思いつく限りの施策を洗い出す。そして影響度、長期・短期(緊急度などもあり)を軸としたマトリックス 分析に照らし合わせる。最後に優先度を決めてやること、やらないことのラインを明確にする。

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ブランディングはどのように行うべきか

4のブランディングは少し他と毛色が違うので補足として記述。
ブランディングは評価経済社会と呼ばれる現代、そしてこれからにおいてより重要な要素になるだろう。いかに商品や企業の価値観に共感してくれる人を確保できるかが変化の激しい中で安定的な経済活動ができるかの決め手になる。
ブランディングで重要なのはいかにその企業のVisionや価値観を伝えるかにある。
より具体的に考えるとその企業、商品を聞いて聴き手が何を連想し、連想しないのかを明確に基準を決めてそれを伝えることがブランディングだと思う。

アクエリアスなら部活を頑張る子供たちを応援する。ココ・シャネルなら女性の社会進出。スターバックスなら人々の心を豊かで活力あるものにするためになどが有名。

ブランディングを認知度(知名度)で測ることがあるが「企業のVisionや価値観をいかに浸透させるか」という目的から考えるとこれは適切ではない。
Googleキーワードを使用した連想ワードの確認やツイッターなどのエゴサーチなどの定性評価が適切である。しかしそのような定性評価は実際に変化しているのか、効果があったのかを可視化、数値化することは難しい。この点を改善できる仕組みはブランディングを行う上で必要になりそうだ。



■参考文献

https://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/furugura-marketing-goal

売上を7倍にした「フルグラ」から学ぶ!マーケティングの目標設定とは?:BLANDINGLAB

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