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人はなかなか変わらない

私も鑑定を始めて、もうずいぶん経ちました…

ホント色々な人がいて…やめちゃおうか、と思ったことも何度もあり…例えば犯行予告的なことを言った人もいたりね。

そして思ったのは、人って変わらないなあ、ということ。

めっちゃ毎回同じことを言って来る人も多いですし、結局同じ過ちを繰り返す人も多いです。

他者と過去は変えられない、ホントそうです。

変えられるのは自分と未来…でもこの一見もっともらしい言葉も、要注意だと思うのですよ。

人って変わらない、というその人の中に、自分だって入っているわけですから。

正直、自分で良い方向に変わったとか言っている人は、あまり信用出来ませんね。

意識の表層が変化しただけで、魂レベルで変わることなんて、そうそうないと思っているので…。


いきなりですが、イヴァン4世というロシアの君主、ご存じですか?

彼はやや不遇な幼少期を送りましたが、しかしそれにしても…というめっちゃ苛烈な人でした。

子供の頃から動物虐待が好きで、そのうちに人間に置き換わりましたからね。

本当に趣味で、人を拷問し、そして殺害していたのです。


しかし一時期…10年ちょっとの間ですが、彼は精神的に満たされ、落ち着いていたそうなのですよ。

それは天使のような奥さんを得たから、なのです。

アナスタシアと言いますが、彼女はとても美しく、そして聡明な人で、彼が癇癪を起しても、上手くなだめることが出来たのだとか。

イヴァンはそれまでの、地獄的な楽しみから、一気に天国的な幸福を知ってしまったのですね。

私はよく思うのですが、地獄出身の悪霊も、心の底では天国的なものに憧れているのですよ。

そしてそれを、アナスタシアはイヴァンに与えたのです。

ですがアナスタシアは、30歳頃に病死してしまいます。

どうも毒殺説が囁かれ、イヴァンはまたそれを信じてしまい、疑わしい人物はこぞって処刑したのだとか。

そしてイヴァンの精神はまた、一気に地獄へと堕ちて行き、その後6回ほど結婚しましたが、相手の女性は大抵、とても不幸な生活を強いられたのです。

また他にも人を拷問し、殺してしまうということを繰り返したのですが、どうやらそれを楽しんでいたようなのですよ。

普段は陰鬱で不機嫌そうなのに、拷問された者が悲鳴を上げると、とても愉快そうに笑っていたらしいですから。

彼に殺された者は、即死という幸運はごく少なかったそうですしね。


しかしイヴァン4世、本当は弱い人だったのでは、と思うのですよ。

アナスタシアが産んだ男の子が、やがて結婚し、奥さんが身籠った頃、イヴァン4世はそのお嫁さんが宗教的な服を着ていなかったということに怒り、何と彼女に暴力を振るったのですね。

そうしたらお嫁さんは流産してしまい、夫である息子はイヴァン4世に怒りをぶつけましたが…、

イヴァン4世はその息子を杖で何度も殴打し、殺してしまったのです。

そのお嫁さんが宗教的な服を着ていなかった、という点でも、本当は天国に居る神様を恐れていたのだろう、と思いますよね。

また彼はその事件の後、殺した息子の名前を呼びながら、城の中を徘徊したのだとか。

残酷な者ほど弱い…本当にそんな気がします。

そして彼は、その後も数限りなく、人を拷問し、殺して行くのです。


やはりね、根は簡単には変わらないのですよ。

だけど天使のような奥さんがいれば、彼もまともに生きられたのです。

つまり残虐な者とはその程度なのです。


もし私がイヴァン4世から相談を受けたとしたら、あと何十年か後に奥さんのいるあの世に行くのですから、それを考えて自分を抑えてください、と言うでしょうね。

まあその程度じゃ、大したブレーキにはならないでしょうけれど…。


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