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女性が自分らしく生きていくために、男性ができること


皆さん、こんにちは!
Lean In Tokyo のマユです。

まだまだ暑い日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私が住むカナダのトロントでは、案外35度近くまで気温が上がる日も多く、とても暑い日が続いています(カナダは一年中寒いイメージがあるので、よく驚かれます😂)。

さて、今回の記事では、前回に引き続きジェンダーに関する内容です。

今回のテーマは、女性がもっと自分らしく活躍できる社会を実現するために、男性が何ができるのか、『I Took Her Name』の著者、Shu Matsuo Postさんの見解を交えながら、書いていきたいと思います。

<Shu Matsuo Post さんについて>

Shuさんはアメリカ人女性と結婚後、当たり前のように苗字を2人の姓を合わせた『松尾ポスト』にしようと役所に届け出ますが、日本の制度では受理できないと言われてしまいます。その後家庭裁判所でも相談し、様々な手続きを経てようやく望んだ苗字に変更できたのです。。
この苗字を変えるプロセスで、日本におけるジェンダーの枠組みに違和感を感じたことをきっかけに、フェミニストとしての活動を続けられています!

「フェミニズムは女性のみが関わる社会運動ではなく、男性も同じように関わる必要がある。
フェミニズムは女性だけではなく、男性も解放すると日本の男性に理解して欲しい」と考えて、2020年12月に『I Took Her Name』を出版しました。


Lean In Tokyo のポッドキャスト~what if~の第6回エピソード「Feminismはみんなのためのもの」にゲスト出演されたり、過去のLean In Tokyo の国際男性デーのイベントでも登壇してくださったりと、LITの活動にも深く関わってくださっています。

<日本での女性の社会進出の現状>

日本は、先進国の中でも女性の社会進出が遅れているのが現状です。

日本のグローバル・ジェンダーギャップ指数2021は、世界156カ国のうち120位

日本の企業の管理職や政治での女性の割合は、他の国に比べまだまだ低いです。

この女性の社会進出を阻む背景にある一つが、グラスシーリングと呼ばれるものです。

【グラスシーリングとは、組織内で昇進対象となる能力ある者が、性別や人種を理由に低い地位に甘んじることを余儀なくされる状態をいい、昇進が見えない天井によって阻まれているという比喩表現である。グラスシーリングは、もっぱら女性の組織内での上級管理職昇進が阻まれる状態に対して使われることが多い。】 (Weblio辞書から引用)

出産・子育てのために、管理職への昇進が妨げられること、また、結婚・出産・子育てとキャリアのどちらかを選ばないといけない、という選択を迫られるのはほとんどが女性です。

Shuさんは自身の本で、「長年キャリアを積んで管理職についている女性達は、家族との時間をあきらめて、キャリアを優先したんだろうな、と勝手に憶測をたてられることが多い一方、男性の管理職はこのような憶測を立てられることはほとんどなく、とても不平等である」とおっしゃっています。

その要因の一つは、「子育ては母親の仕事だ」「男性が一家の大黒柱として働くのが当たり前だ」というバイアスが、多くの人の中に、根強く残っているためです。

Lean In ネットワーク の創設者シェリル・サンドバーグ氏は、「社会的な通念のために、仕事と、プライベート(家族を築き上げること)の両方を成功させるのは、男性よりも女性のほうが難しい」と述べています。

この、「家事・子育ては母親/女性がするもの」というステレオタイプは、女性の社会進出の妨げになっているだけでなく、実は男性にもネガティブな影響を与えている、とShuさんは述べています。

例えば、男性の育児休業や主夫への転身などです。
これらにまだまだネガティブな社会全体からの圧力があり、そのせいで、男性も行動を起こしづらい環境から抜け出せません。このネガティブな圧力は誰にも利益をもたらさず、このままでは状況は変わりません。

その家庭にあった決断を、それぞれが「自由に」することが理想ですよね。

社会の通念や、社会に浸透している「当たり前」と捉えられている男性・女性としての義務に縛られずに、個人個人が「自分らしく」生きられる社会を実現していきたいですね。


<じゃあ実際に、男性側は何をすればいいの?>

すべての人がジェンダーバイアスや社会の期待に縛られず、様々な選択ができる社会を実現するために、ここではShuさんが著書で紹介していた、すぐにでも始められることのうちの3つをシェアしていきたいと思います!


「伝統的に女性の仕事と思われているタスクを男性がする」

家庭内の仕事は女性がするものだ、という伝統的な物の見方を変えましょう。

トロント大学で専攻した、東アジアのジェンダーについての授業で、「主婦」というコンセプトは、明治政府が広めたものであり、この主婦というコンセプトは自然にできたものではなく、人工的に政府が作ったものだと学びました。

これにより、「女は家事、男性は仕事」という男女間での経済的なヒエラルキーができ、それ以来ずっとこの格差や、社会的期待の差異が存在し続けています。

「家事は女性がするものである」というシナリオが人工的に作られたものならば、この常識を変えていくのは可能です。
さらにいうと、この物の見方を変えない限り、女性は仕事と家事・育児の両立を迫られ続るままであり、男性と比べ仕事での昇進をするチャンスが少ないという現状が変わりません。

「女性が社会で活躍するチャンス・時間を増やすために、男性が家事や育児をすることが大切。理想は半分受け持つこと」とShuさんは述べています。

サンドバーグ氏は、「女性が一生のうちで決める一番大切なキャリアチョイスは、どんな人をパートナーとして選ぶか、ということ。」とおっしゃっており、そのパートナーが、女性の社会進出を100%応援してくれる人だと、女性が一歩踏み出して挑戦することが可能な社会の実現につながりますよね。

■エゴ・有害な男らしさをなくす 

「男性は一家の大黒柱であり、一生懸命に働き家族を支えていくのが男の役目だ」と伝統的に思われてきましたが、この物の見方を変えていかなければなりません。

「『男性は女性よりもお金を稼ぎ、一家を支えるものだ』という古い考えのために、もし、女性が男性よりも高収入だと、男性のエゴが傷つき、女性の社会進出をよく思わない人がいるのは事実だ」とShuさんは述べています。

世の男性たちは、「自分が一生懸命働いて家族をサポートしないと、男として失格だ」と思ってしまうことが多く、このプレッシャーは男性への身体的・精神的負担を増やし、健康にも害を及ぼす可能性があります。これは誰に対しても利益をもたらさない悪循環です。

この「有害な男らしさ」に縛られずに生きることが、大事だと思います。

パートナーの女性が一家により高い収入を持ってくるのを素直に喜び、それをサポートできたら、どれだけ男性への肩の荷が下りるでしょうか?

「一家の大黒柱にならないと、男失格だ」という誰にも利益をもたらさない伝統的な価値観から解放され、自由に生きてくことができたなら、それは理想ですよね。

■「仕事はどうするの?」と聞かない

これは、男性だけでなくすべての人に当てはまりますが、Shuさんは、自身の本で「働く女性が妊娠報告をした時に、『じゃあ仕事はどうするの?』と無意識に聞いていませんか?」という質問を投げかけていました。

確かに、男性に「奥さんが妊娠したんだってね、これから仕事はどうするの?」と、聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか。

男性には質問しないことを女性だけに聞くのは違和感がありますし、この質問をすることで、女性は妊娠を機にキャリアチェンジを強いられる、というバイアスを押し付けていることにもなります。

また、このマインドセットはグラスシーリングを強固にすることと同じですよね。

妊娠をして、その後の仕事をどうするかは、夫婦又はパートナー間で決めることであり、このような質問をすることで個人のライフチョイスが狭まれることは理想ではないと思います。


<まとめ>

Lean Inの理念でもある「女性、またすべてのジェンダーの方が野心を持って、挑戦することができる社会の実現」をするためには、上記であげた3つの点のように、一人一人が日々の言動や行動に気を配ることが大切だと思います。

この記事を読んでくださったあなたの態度・行動の変化が、周りにも波紋を描くように広がっていき、それがより大きな社会の変化に繋がっていくと思います。

今回紹介したShuさんが著作した『I Took Her Name』、私に改めてたくさんの気付きを与えてくれました。

書籍は全部英語で書かれていますが、英語初心者でも読みやすい文章になっていますので、英語勉強中の方にもおすすめです!ぜひチェックしてみてください!

Lean In Tokyo でも、男性育休ミートアップや、転職イベントなど、ライフステージに合わせた様々なイベントを定期的に行っています!

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それでは、また✨


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