経済を大きくしない

もし自分が地球以外の星で生まれ、日本の田舎に転生したとしよう。

その田舎には小さな商店が一つあるだけで、スーパーや100円ショップ、薬局に行くためには車で往復1時間ほどかかる。

何もないので近所で草刈りや便利屋的な仕事をしてお金を得る事で地元の小さな商店である程度の買い物が出来る。
家の近くで畑が出来るなら野菜を作っても良いだろう。

しかし商店にあるものだけでは
生活に不便で、例えば薬は置いてない。
そのため徒歩で街まで通う事にした。

だんだん徒歩で街に通うのも面倒になってきた。
車で往復1時間のため頻繁には通うことはできないし、荷物を手で運ぶのは手間だ。

街で自転車を買う事にした。

街に繰り出しやすくなり、頻繁に通えるようになった。そうするうちに街の仕事の方が自分が暮らす地域で仕事をするよりも割りがいい事に気がつく。

そのため街まで自転車通いで仕事をするようになる。

次第にお金が溜まり、今度は車が欲しくなった。自転車はいい運動になるけれど、最近残業もあり、道すがら動物が出るので危ない。何より荷物をたくさん積めるし遠くまで行くことができる。

車を買った。
他の街に繰り出すようになり、
ショッピングモールで買い物などを済ませるようになった。

そんな生活をして数年経った。
仕事では管理職となり、欲しいものはある程度得られるようになった。
ただ、毎日仕事で部下の管理、上司の無茶振りに疲れてきた。

体を壊し、会社を辞めた。

街に繰り出す体力はないので地元の商店で食材を買おうと思ったが、
商店がなかった。

仕方がないので街に繰り出すが、
商店街はシャッター街とかしていた。

仕方がないのでショッピングモールで買い物を続けた。

次第に生活が苦しくなってくる。
幸いな事にネット通販が普及し、
わざわざ遠くまで買い物しなくても良くなった。
車を手放した。

体調が次第に回復してきたので以前のように畑や草刈りの仕事をし始めた。
しばらく年月が経ち、大きな戦争が起こった。当然物流がストップし、
ネットでものが買えなくなった。
幸いなことに田畑で野菜や米を作っていたため餓えることはなかった。

戦争が終わり
自分の地域に人がちらほら戻ってきた。
当然ものはなかった。
でも自分には売る野菜があったので商店を開いて売った。

次第にその地域に小さな店がぽつぽつでき始めた。
地域全体が少しずつ活気が増していくのを感じた。

店を大きくしたり街に2号店を出せるまでになったがそうしなかった。
周りで商売をしている人もそうだった。

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