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吉田由紀という人間
彼も謎多き人で、なにせ彼視点がないから周りからの客観性しか見えない。だから全く違う人に見えても仕方がない。これは前にTwitter(今やX)かなんかで私がつぶやいたことと被ってしまうのだが、由紀の死因について。
↓以降ネタバレを含むかもしれません。アニメ9話のネタバレは入ってます。
まず、私がギヴンの中で一番好きなキャラは吉田由紀その人である。真冬に「じゃあ俺の為に死ねるの」と聞かれてそれに答えるように亡くなった彼の愛の表し方が好きだったから。それは最善の選択ではなかったのかもしれない。けれど私は愛の重いキャラクターが好きなので、由紀以上にどう愛の大きさを表すのかと、彼の選択に惹かれた。結局彼は首を吊るということにしたがその床にはアルコール、缶ビールがいくつか転がっていた。それについて考えた。
無論彼は成人していないはず。ならばこれは誰のか。個人的な解釈として真冬に「俺の為に______」と言われて一回死のうとしたけど、死ねなかった。真冬は自身の半身。由紀は彼がいないと生きていけないと本気で思ってて、(もしくは思い込んでて、そう思い込まなきゃいけないまで思ってた節ある)死んで証明しないとってことしか頭に無かった。どうやったら死ねるんだろうって考えて、たまたま冷蔵庫開けたら親のお酒があって「あっ」って思ったとか。それで飲んで溺れて、でも死ねなかった。由紀は焦る。死ななくちゃ死ななくちゃって飲んで試して飲んで試して、でも中々死ねなくて。早く死ななきゃって気持ちだけが先行する。ようやく言われてから三日目に頭がふわふわして「ようやく死ねる」って思ったとかどうだろうか。自分はそう解釈した。。だから言われてすぐ死ななかったというか、できなかった。証明しなきゃいけないのにって葛藤・焦りで最後死ねて「やっと君への愛を証明できるよ」、だったらもう......。
真冬の台詞から期間が空いてた理由に違和感があったが、これなら缶ビールに関しても、何故すぐに死ななかったのか、いや、死ねなかったのかという理由がつくのではないだろうか。
いずれにしても彼は愛を証明した。目的は果たせたわけだが、センチミリメンタルさんの『結言』を聴くと由紀視点が描かれているような気がする。
「きっとお前は忘れる」けど、「忘れないでね」ってことなのか。
二人の言葉のキャッチボールがこの曲から見える。
「だからこそぼくらは 心のなかでは ずっと結ばれていよう」と願ったのはどちらか。由紀は死で真冬を縛って、縛られた真冬は上ノ山と一緒に生きていくことを選ぶが、その呪縛が解けないのか解かないのか。
『はなしのつづき』も由紀を感じられるからいつも聴いている。今度またじっくり語り尽くしたい。