#バイスタンダー介入研修 誰もができる小さな勇気が、安全なコミュニティをつくる
私が#バイスタンダー(第三者)介入研修 を知ったのは、2017年に刑法改正運動に携わっていたときでした。当時、性暴力に関する法制度の改善に関わる中で、性暴力被害者が直面する社会的な無理解や、周囲の無関心の問題を強く感じました。「なぜ誰も助けなかったのか?」という思いが常に胸にあったのです。
刑法の改正は重要なステップでしたが、法律だけでは変えられない部分もあると感じました。人々が日常生活で目の前の問題に対して行動を起こすためには、もっと実践的な知識やスキルが必要だと気づいたのです。そんなときに出会ったのが、バイスタンダー介入という考え方でした。
小さな行動の力
バイスタンダー介入とは、目の前で起きている問題に対して、バイスタンダー(第三者)としてどう行動するかを学ぶものです。大きなヒーローのような勇気ではなく、誰もができる「小さな勇気」が、実際に人を助け、コミュニティを安全にする力になると知りました。
私が初めてバイスタンダー介入の重要性を実感したのは、職場内での出来事でした。ある日、同僚の女性が会議中に、上司からしつこくプライベートな質問をされているのに気付きました。彼女の顔は不快そうで、上司の言葉に困惑しているようでした。正直、当時の私は直接声をかける勇気がありませんでした。職場の雰囲気を壊すことを恐れていたのです。
しかし、その場にいた他の同僚たちも同様に見て見ぬふりをしている中で、私にできることはないかと考えました。その時、バイスタンダー介入の基本的なアプローチを思い出しました。「直接介入だけが全てではない。安全に助ける方法はいくつもある」ということです。
そこで、私は会議の合間に、少し大きな声で「ちょっとお話があるんですが、後でお時間をいただけますか?」と声をかけました。これにより、会議の場の雰囲気が少し和らぎ、上司の注意が一時的にそちらに向きました。結果として、上司はその場を離れ、女性も少しリラックスすることができました。
バイスタンダー介入の魅力
バイスタンダー介入の最大の魅力は、誰もが使えるスキルであることです。私のように、特別な訓練や経験がなくても、ちょっとした行動で状況を変えることができるのです。研修では、直接声をかけるだけでなく、他の人に助けを求めたり、権威ある存在に知らせたりと、さまざまな介入方法を学ぶことができます。自分の身を守りながら、被害者を守るための選択肢が広がるのです。
研修を通じて学んだことは、私だけでなく、多くの人々の生活に良い影響を与えると信じています。性暴力、いじめ、ハラスメントなど、様々な問題が私たちの社会にはありますが、それに対して無力だと感じる必要はありません。私たち一人ひとりが小さな勇気を持ち、適切な方法で介入することができれば、安全で安心できるコミュニティを築くことができるのです。
未来への一歩
刑法改正運動に関わり、法制度の変革に携わった経験は、私に大きな視点を与えてくれました。しかし、日常の中で誰もができる小さな行動、すなわちバイスタンダー介入が、コミュニティをより良い場所に変えるための重要な鍵であることを強く感じています。
現在、私は日本の大学生を対象としたバイスタンダー介入研修の開発と実施に取り組んでおり、このnoteでこれらの実践について伝えていきたいと考えています。
もしあなたも、目の前の問題に対して「自分には何もできない」と感じたことがあるなら、ぜひバイスタンダー介入研修に参加したり、バイスタンダー介入研修に関する記事を読んでみてみてください。小さな一歩が、思いがけない大きな変化を生むかもしれません。