『ふたつよいことさてないものよ』
『ふたつよいことさてないものよ』ーこれは河合隼雄の言葉だ。この意味は、人には一つ良いことがあると一つ悪いことがあるという考えだ。私も似た考えを持っている。「長所と短所は表裏一体」である。例えば、ブサイクと呼ばれる人がいたとする。その「ブサイク」という特徴は、短所のように感じるが、「ストーカー被害に遭いにくい」ともいえる。
なぜこのような構造になっているか、私はこう考える。長所と短所、それらは本当には存在しないと。ただ存在するのは人の特徴なのである。それを人が長所だ、短所だと分けることでただの特徴であるという本質を歪める。ラベル化するのは人の価値観、世間の風潮なのである。