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【空想エッセイ】昨夜の話(5)

「ナルさん、うたすと2に新曲が追加されたって本当?」
ベッドの下から突然現れた一つ目小僧に驚き、僕はお茶を噴き出した。
「…いつからいたの?」
「昨日からずっと。寝てた!」
「…怖いよ、一つ目小僧」
僕は執筆をやめ、一つ目小僧に向き直る。
「だって、妖怪だし。怖くて当然なんだよ。それより、新曲ってどんなの?」
「ああ、『風雷』っていうんだよ。かっこいいよ、聴いてみる?」
「うん!」

というわけで。

「わああ!かっこいいね!」
「でしょ?」
一つ目小僧はぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。彼にもこの良さは伝わったらしい。妖怪は皆センスがいいのだろうか。

「そういえば、もうすぐ本開催なんだね!」
「そう、10日から。今も楽しいけれど、これからもっと盛り上がるはずさ」
窓の外はすっかり秋めいている。秋はイベントの季節だ。夏の酷暑で疲れた心を癒す日々が始まる。
「風や雷というと、イッポくんだね」
「そうなの?」
一つ目小僧は意外にも知らないようだ。
「イッポくんは昔神様で…」
「昔のことはいいんすよ、ナルさん」
振り返るとイッポくんが立っていた。その手には焼酎と鮭とばが握られている。
「どうして、うたすと2に新曲が追加されたことを教えてくれないんですか!」
「ああ、ごめんごめん。もう知ってるかと思ってた」
「俺は忙しいんですよ。教えてくれないと…」
僕は一つ目小僧に耳打ちする。
「イッポくん、忙しいの?」
「ほら、『果ての二十日』がそろそろだから」
「ああ…」
イッポくんは鮭とばをかじりながら、スマホでnoteを見ているようだ。

「皆さん、既に傑作を生み出してるんすね」
「そうだよ、イッポくん。もちろん僕もね」
僕はそう言って胸を張ってみせた。何を隠そう『せめて思い出の、青』は、僕のnote人生でトップクラスの閲覧数なのだ。
「…まあ、まだまだなんだけどね」

「いいじゃないか、ナルよ」
夜行が窓の外から声をかけてきた。いつの間に。

「書きたいと思うものを書いて、読んでくれる誰かがいる。それだけで幸せだと思わないか」

「夜行さん…」
僕が感動していると、
「今のはぬらりひょんの伝言だ」
と夜行は言った。そうして、みんなで笑った。


というわけで(どういうわけだ)

10月10日より、うたすと2開催です!!

既に皆さんが発表した作品を楽しむも良し、興味があるなら参加するも良し。なぜって、お祭りですから!!
(一応)うたすと2サポーターのナルと妖怪たちも、皆さまの参加をお待ちしております。普段は書かない方も、この機会に参加してみてはいかがでしょうか?
きっと楽しい作品と、新しい発見があなたを待っている、はず。

ちなみに『果ての二十日』は、イッポンダタラにまつわる日で12月20日である。伝承にもさまざまなパターンがあるので、興味があれば調べてみてほしい。

さて、課題曲は4曲。どれも素敵な名曲ですよ~。

聴いたら、参加したくなりませんか?
いや、なったはず。ワクワクしてきたはずだ!
というわけで、皆様の参加、お待ちしています!!

#うたすと2

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ナル
いただいたチップは、通院費と岩手紹介記事のための費用に使わせていただきます。すごく、すごーくありがたいです。よろしくお願いします。チップって名前にちょっとだけ違和感…。