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へび助との一瞬

先日、家の入り口に蛇がいた。
小さなアオダイショウ。くりっとした目。しなやかな身体。
どうやら、日光浴をしているようだ。僕は放っておくことにした。

数枚の写真を撮った。家には2mクラスのアオダイショウもいるので、すこやかに生きていけるか心配になった。
オスかどうかわからないが、へび助(仮)と呼ぶことにした。


それから一時間経っても、二時間経っても、へび助(仮)はそこにいた。
「なんかおかしい…」
僕は少し長い棒で、へび助に触れてみた。動かない。
へび助は、既に死んでいたのだ。
この辺はカラスも多い。上空まで連れ去られて、何かのきっかけで落ちて事切れたのかもしれない。
身体を持ち上げても、へび助は動かなかった。くりっとした目には、僕は映っていなかった。

どうしていいかわからなくて、家の裏に埋めた。
穴を掘っている間、ほんの少し前の自分を思った。かわいい!と写真を撮った自分。
あのときに何かしていたら、助けられただろうか。

埋める前に頭を撫でた。
口元に触れてみた。
目元に触れてみた。
動かなかった。
なぜだか、涙があふれた。

お前は覚えていなくても、僕は忘れないよ。
いつかまた、この家においで。
その時は、もっと大きくなろうな。
ここに来てくれてありがとう、へび助。
さよなら。


あとがき

実話。

今、家の裏手に小さな墓がある。墓といえるか微妙だが、彼(彼女?)はそこにいる。
……あ、これ幼少期の話じゃなくて、つい最近です。

つい最近、死んだ蛇を埋めながら泣いた男(32)が、僕です。


蛇が苦手な方も多いので、写真は載せない。僕の思い出の中にいてくれたらいい、それでいいんだ。

メンタルがあかんことになったのか、最近はすぐ泣く。この間、夕方の音楽番組で歌う日向坂46見ながら大泣きした。いよいよやばいかもしれない。

へび助のことを知ってほしくて、つい書いた。
基本的に生き物が好きなので、彼らの死はかなしい。救うことが最初からできないとわかっていても、やりきれない。

……とはいえ、大量発生しているカメムシよ。

君らは駆除する。農家の迷惑になる。
昨日だけで40匹以上を葬ったぞ。
どう考えても異常事態じゃないか。


…オチもついたところで、今日はおしまい。
へび助に手を合わせてくる。

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ナル
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