見出し画像

中国映画レビュー『独行月球』(邦題:月で始まるソロライフ)その2

前回に引き続き、今回は『独行月球』の後半40分です。

【好きなシーン⑦】
隕石月面衝突から613日目、遂に独孤月と地球が交信に成功します。一時は自分が人類最後の一人だと思い、自ら命を断とうとした独孤月が地球にいるかつての仲間達と画面越しに対面する場面です。

交信の為にスイッチを押す直前、緊張の面持ちの独孤月
ドキドキしながらボタンを押す
ボタンを押したら、画面に映ったのは地球の仲間達
「私達の映っている画面は見えていますか?」と地球側から聞かれる独孤月
普通は声で応じたくなりそうだけど、
感無量すぎて声が出ない独孤月(だと勝手に思ってる)は手を振って応える
(この時の表情も心情をすごく伝えてると思う)
地球のスタッフが歓喜の声を上げる中、静かに安堵の表情を浮かべる马蓝星
(马丽のこの表情も神がかってる😊)
朱皮特や葫芦丝儿、魏辣斯から次々に声をかけられ、
その歓喜に満ちた声を聞きながら、顔をクシャクシャにしながら涙を流す独孤月
(こんな感情溢れる表情、もはや演技ではこのレベルにいかないんじゃないかと!)
魏辣斯の声が途切れた次の瞬間に訪れた静寂。そして、皆が自然とある人物の方を向く。
独孤月が一番聞きたい声の持ち主の方を。
马蓝星はそれはそれは本当に自然な落ち着いた声で “你好,独孤月。”とだけ声をかける。
(马丽のこの時の表情は菩薩様みたいでした😌)
独孤月もたった一言 “你好”

この “你好” がものすごくよかった。万感の想いの詰まったニーハオだった。独孤月を演じる沈腾の喋り方はすごく特徴的なんだけど、この時の你好を聞いてから、彼独特のちょっとかすれた感じの話し方がすごく好きになった。コメディに嵌る演技は上手いとは思っていたけど、このシーンの顔をクシャクシャにして泣くところは何回観ても泣いてしまうくらい感情移入できる。書きながら、あまりに興奮して「ですます調」を忘れてしまったくらいです。このシーン、沈腾も马丽も表情が異常に良いのです。

【好きなシーン⑧】
 地球との交信以降、独孤月を地球に返す為のプロジェクトを地球と独孤月が進めることになり、そのシーンは直前の超感動対面シーンから一転、ロックな音楽と地球の马蓝星と月の独孤月を同じ画面で絡めたり、2画面分割で絡めたり、この映画の映像デザインの中でもすごく好きなシーンです。あと好きな理由は、終始、独孤月の最大のモチベーションとなっている马蓝星への想いを明るく表現したセリフです。
独孤月:自从和地球取得联络,日子开始变得异常忙碌,修建返回舱的计划正式启动,而更让我意外的是,我还要捎上宇宙之锤,说是为了增加重量防止过载。不过,这都是小事,能天天看到马蓝星,这才是最棒的。但是,现在全世界都在看着我,我绝对不能直勾勾地盯着她,暴露我对她的心意。马蓝星,虽然地月之间隔着遥远的三十八万公里,但我却从未感觉和你如此靠近。
(插曲:我要和你聊个够,我要靠在你肩头,我要和你手牵手,我要,我还要,月亮不走,我得走喽,刚子咱们回地球喽,这破地儿咱再也不来喽,这浩瀚宇宙,还得是咱地球。)
 「不过,这都是小事,能天天看到马蓝星,这才是最棒的。(そんなのはどれもみーんなちっぽけなことで、毎日马蓝星を見れることが一番スゴイことなんだ。)」
 実は頭脳も生命力も創造力もすごく優れている独孤月の一番大事に想っていることが「愛」なんだなぁ、马蓝星への「愛」なんだなぁと感じられるシーンですごく好きです。
 バックで流れてる曲も歌詞からこの映画の為に作られたオリジナルだとわかりますが、ロックな感じですごくイイです。

【好きなシーン⑨】
 もう後半40分はほぼ全てのシーンがお気に入りになっちゃうんですが、独孤月が马蓝星と2人だけで夜にディスプレイ越しに語り合うシーンで独孤月がUNMSに参加することになった時の面接のシーンと马蓝星との出会いの回想シーンがありますが、長~いエスカレーターで初めて马蓝星を見た独孤月は一目惚れ、バックでカンガルーの刚子に女装カンガルーで色仕掛けをした時に流れてた《轻轻地告诉你》が流れて、その時に春の風に吹かれたようにカンガルーのバックで揺れてた草と同じように独孤月の前髪が揺れるんです。こういう細かい仕込み、大好物なので、このシーンも大好きです。

このながーいエスカレーターで2人の出会いまであと少し(ドキドキ)
あ〜、もうホントあと数秒!
この瞬間もバックには『轻轻地告诉你』が流れてます😆
そして、そよ風が吹いたように髪がなびきます😍
運命の人、到来!!👼
もう惚れてしまいました!一见钟情💘

【好きなシーン⑩】
 遂に月から地球に向けて出発する独孤月と刚子。地球の皆がその出発に沸く中、無事に中継点の广寒宫号に到着。全てが順調に行っているかと思えたが、πの破片、π+が地球に迫っていることがわかり、独孤月の宇宙船に積んでいる核弾頭をπ+付近まで運ばない限り地球への衝突、人類の滅亡は免れないことが判明し、その任務を独孤月に伝える马蓝星。马蓝星が伝える前にπ+のことを口にする独孤月。直前に繋いでいたインカムから地球での会話は全て独孤月にも聞こえていて、马蓝星が「この作戦の成功率は?仮に成功したとして、独孤月が無事に帰って来れる確率はどれくらいあるの!」という言葉も聞こえていた。

切り忘れたインカムから聞こえてくる马蓝星たちの話を聞く独孤月
『独孤月が生きて帰って来れる確率は』
『どれくらいあるの!』
宇宙船の窓から地球を、马蓝星のいる地球を見る独孤月
(この時、马蓝星の「又能有多少!」という言葉がリフレインしてます)
(リフレインしながら独孤月の胸に染み込んでいってます(想像))
 
地球を見て马蓝星に想いを馳せる
『これが君を護る唯一の方法だろ』
『でも僕にも一つ要求があるんだ』と言って…↑こんなコトを言うなんて

 死も覚悟しなければならない任務を引き受けさせなければならなかった马蓝星を気遣って、こんなジョークを飛ばし、最後の返事で更におちゃらけて見せる独孤月、カッコよすぎやしませんか?

ダメだ…まだまだ終わらないです…今日も一旦ここまでとさせていただきます。
次はいよいよクライマックスです!


いいなと思ったら応援しよう!