Leaf音楽療法センター/音楽支援専門士協会

音楽は聴くだけではなく、活用の仕方一つで健康に役立たせることができ、実際に医療や福祉で活用されています。 ただ聞くだけではもったいない!音楽を使って、毎日の生活に楽しさを! どうやって音楽を活用していけばいいか、その方法や理由など幅広く紹介していきます。

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音楽は聴くだけではなく、活用の仕方一つで健康に役立たせることができ、実際に医療や福祉で活用されています。 ただ聞くだけではもったいない!音楽を使って、毎日の生活に楽しさを! どうやって音楽を活用していけばいいか、その方法や理由など幅広く紹介していきます。

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最近の記事

三大認知症と音楽

超高齢社会の日本では健康寿命、介護予防など長い寿命をいかに健康で過ごすか、に注目が集まってきています。 介護保険制度もスタートし、様々な対策などがとられていますが、高齢化にともない介護を必要とする方は増加傾向にあります。 「要介護」や「要支援」となった人は、どんなきっかけでケアが必要になったのでしょうか? 新型コロナウイルスの影響で2019年が最新のデータになるのですが、 2019年の国民生活基礎調査では介護が必要になった主な原因が記されています。 1位…認知症(17

    • 生きがい支援と音楽

      長寿化が進む日本は『人生100年時代』を迎えると言われおり、なんと2007年に生まれた子どもの半数が107歳より長く生きる、という推測もあるそうです。 人生100年時代を健康で長生きしていくうえで必要だと言われているものの中に「生きがい」があります。 高齢者の方が心身の健康を維持する上で非常に重要だと言われています。 それはなぜでしょうか。 まず「生きがい」とは何でしょう? 広辞苑によると、 「生きがい」とは生きるはりあい。生きていてよかったと思えるようなこと。

      • カタルシスと音楽

        皆さんは歌うことはお好きですか? 歌った後はスッキリし、ストレスが発散されたと感じる方が多いのではないでしょうか。 歌うことだけではなく、大きな声を出すことや話すことも時には気分がスッキリしますね。 さらに歌の歌詞には感情を表現する言葉などが登場しますが、そのような歌詞を歌うことで場合によっては心の中に閉まってた、出さないようにしていた気持ちが表現され開放されると考えられています。 このように感情が外に表出され心が開放されることを「カタルシス効果」といいます。 カタル

        • 構音障害と音楽

          皆さんは「構音障害」がどのようなものがご存じでしょうか? 構音障害とは言語障害の一つです。 言葉を正確に発音する能力が失われる障害で、正しい発音ができないため、特定の音がうまく出せないなどの症状が出ます。 原因によっては咀嚼嚥下がうまく出来ずに誤嚥につながることもあり、気管支炎を起こすこともあります。 構音障害にはいくつか種類があるのですが、高齢者に大きく関わる「運動障害性構音障害」についてみていきましょう。 運動障害性構音障害とはパーキンソン病、脳腫瘍、脳血管障害

        マガジン

        • 音楽療法×介護
          3本
        • 高齢者福祉のための音楽療法プチ講座
          1本

        記事

          ADLと音楽

          ADLという言葉を聞いたことはありますか? 介護業界でよく使われる言葉になりますが、ADLとは Activities of daily    living の略称になり、 「日常生活動作」という意味になります。 字の通り日常で行われている行為、行動のことを表し 具体的には移動、入浴、排泄、食事などのことを指します。 つまり日常生活をおくるために最低限必要な日常動作のこと。 そしてADLは高齢者や障がい者の方の身体能力や日常生活レベルを図るための指標として使われます。

          音楽支援と音楽療法

          日本は1979年に高齢化社会に突入し、1994年には高齢社会、2007には超高齢社会となりました。 今後も高齢者率は増えると言われており、2060年には約40%に達すると予想されています。 現在の日本は超高齢社会ですが、この「超高齢社会」という言葉。 何を意味しているのかというと、”人口のうち65歳以上の人口が21%を超えている”ことを指しているのです。 2021年には高齢者人口は全体の29.1%となり、2025年には現在の超高齢社会をさらに超え 4~5人に1人が後期

          楽器を使用する理由

          皆さん、こんにちは! 音楽療法士の鈴木です。 私は介護施設を利用されている方や発達に障がいのあるお子様や大人の方、精神疾患をお持ちの方に対して、 様々な音楽の活動を通して、心や身体に働きかけ、 お元気になれるような音楽療法サービスを提供しています。 音楽療法では活動の中で楽器を使用する場面が多いのですが、 特に私は、対象の方の好みや身体の状態、課題に合わせて、毎回たくさんの種類の楽器を用意しています。 今回は「楽器」と「楽器を使用する意味」について、掘り下げていきたいと

          音楽を使った体操のすすめ

          皆さん、こんにちは! 音楽療法士の鈴木です。 私は介護施設を利用されている方や発達に障がいのあるお子様や大人の方、精神疾患をお持ちの方に対して、 様々な音楽の活動を通して、心や身体に働きかけ、お元気になれるような音楽療法サービスを提供しています。 音楽の活動と言うと、歌や楽器の演奏などが思い浮かぶと思いますが、 私は音楽療法を行う時には、必ず身体を動かす活動も行っています。 目的は対象の方によって異なりますが、 継続して行うことにより、心身ともに様々な変化が現れます。

          コラム③

          こんにちは、音楽療法士の井上です。 今回は、私がセッションに取り入れている活動の続き(楽器活動と鑑賞)についてお話ししたいと思います。 ・楽器活動 音楽に合わせて(歌唱しながら)鳴子や鈴などの小楽器を鳴らしたり、トーンチャイムを使って合奏しています。 歌唱しながらの楽器演奏は「デュアルタスク」を行うことができます。 「デュアルタスク」とは、同時に二つ以上の課題を行うことで、 脳の様々な部分を活性化させ、特に認知症予防に効果的であると言われています。「ながら作業」ともい

          コラム②

          こんにちは、音楽療法士の井上です。 今回は、音楽療法の中で行っている活動内容(プログラム)についてお話したいと思います。 私のセッションでは主に歌唱・身体活動・楽器活動・鑑賞を取り入れています。 二回にわたって、それぞれの活動内容や意図について説明します。 ・歌唱 歌詞幕を提示し、セラピストの伴奏で歌唱します。 男女のデュエット曲やセリフ入りの曲も積極的に活用して、 男女で(あるいはグループごとに)分かれたり、セリフ入りの曲ではスタッフに協力していただいております。

          コラム①

          こんにちは、音楽療法士の井上です。 今回は、私たちが行っている「音楽療法」についてお話したいと思います。 音楽療法は一言でいうと、人の「より良く生きたい」という願いを音楽でサポートするものです。 対象者は出生前から高齢者まで、健康な人から重度の障害がある人までと様々です。 それぞれの対象者に合わせた音楽療法(=セッション)をするため、リハビリテーションからケアまでと目的も多岐にわたります。 こちらでは主に通・入所の高齢者を対象に、 身体機能の維持、認知機能の向上、余

          音楽とはなんだろう

          こんにちは。 音楽療法士の草場です。 わたしは、只今5歳と3歳の2人の子どもを育てながら、音楽療法、リトミック、ピアノの先生をしています。 「音楽とは何だろう」をテーマに様々な視点から書いていこうと思います。 今回は、音楽における回想について。 回想とは…過ぎ去ったことをあれこれおもいだすこと。 高齢者の音楽療法でも必ず取り入れられるプログラムです。 私が高齢者の音楽療法に携わるようになって、勉強期間も含めるともうすぐ20年になります。 その間で回想を使ったプログ

          メンタルテンポ

          -音楽と健康- 気分が良い時、体が軽い時は軽快な音楽が聞きたくなるように、音楽と気分や健康には密接に関わりがあります。 心と体のバロメーター、音楽と健康との繋がりをご紹介します。 先日、娘が年少の時の音楽発表会のビデオを見ていたのですが、 見事にリズムが合っていない…というか、曲に付いて行けていない様子。 普段、リズム感は悪くないし、歌も大好きな娘。 どうしたことか…と当時びっくりしたのを覚えています。 今回は、メンタルテンポのおはなし。 人には特有のメンタルテンポと

          音楽療法×介護#3「帰宅願望のある方への音楽活用術」

          ―音楽療法×介護ー 特に介護職、在宅介護をしている人に介護ケアで活用してもらいたい音楽の活用方法をご紹介。 音楽療法では様々な音楽の特性を活かし、実施していきますが、日常生活や介護現場でもその特性を利用することができます。 「帰宅願望のある方への音楽活用術」帰宅願望は「家に帰りたい」という気持ちが言動に現れることで、認知症を患っている方に多いです。 認知症の方の帰宅願望には、それぞれ理由があります。 慣れない環境で不安になり帰りたくなる、むかし仕事をされていた方が「仕事をし

          音楽療法×介護#3「帰宅願望のある方への音楽活用術」

          音楽療法×介護#2「”365歩のマーチ”を使った歩行介助」

          ―音楽療法×介護ー 特に介護職、在宅介護をしている人に介護ケアで活用してもらいたい音楽の活用方法をご紹介。 音楽療法では様々な音楽の特性を活かし、実施していきますが、日常生活や介護現場でもその特性を利用することができます。 「”365歩のマーチ”を使った歩行介助」 介護施設に付き物なのが、歩行介助。 筋肉の衰えや疾患で足が動きにくい方の歩行を支えるのは、簡単なことではありません。 そんな歩行介助がやりやすくする、魔法の歌があります 「365歩のマーチ」はご存知でしょうか?

          音楽療法×介護#2「”365歩のマーチ”を使った歩行介助」

          音楽療法×介護#1「口腔体操」

          ―音楽療法×介護ー 特に介護職、在宅介護をしている人に介護ケアで活用してもらいたい音楽の活用方法をご紹介。 音楽療法では様々な音楽の特性を活かし、実施していきますが、日常生活や介護現場でもその特性を利用することができます。 「生活の中で活用できる音楽」音楽療法士の上田です。 私は普段、老人ホームに伺って、入居されてる方の心と体が活性化して、元気になれる音楽療法を提供しているのですが、実際にデイサービスの介護スタッフとしても働いています。 そもそも音楽療法ってなにって話です