自己紹介:日野綾樹㈱スコラ・コンサルト

 はじめまして。私は日野綾樹と申します。

 私は現在株式会社スコラ・コンサルトで日々企業さまの業績と働きがいの向上を支援しています。

 主に地域のクリニックを対象に「スタッフ主導型医院作り」をテーマに、現場伴走型支援をしています。

 「スタッフ主導型医院って何ですか?」

 そのような疑問をお持ちになったと思います。この言葉は私が2012年に考えました。

 このテーマに行き着いた経緯を少しご紹介させてください。

 私は2008年より新卒で国内独立系の経営コンサルティングファームで働き、2年間様々な業種のコンサルティングを経験した後、2010年より無床診療所、特に整形外科クリニックを専門とした経営コンサルティングを開始しました。

 開始時は社内で整形外科クリニックを対象に経営コンサルティングをしている社員がいなかったため(おそらく当時日本にもいなかったと思います)、先生方への取材や繁盛医院の見学を日々重ね、現場の情報を収集していました。

 当時医療機関対象の経営コンサルティングといえば、院長先生に対し、コンサルタントが得意な分野、例えば、財務や税務、医療に関する製品等の専門知識をいかしたコンサルティングが主流でした。また、スタッフに対しては、接遇やクレーム研修等どの医院でも当てはまるような研修を講師の方が行っていました。

 そのため、上記のコンサルタントや講師の方々の専門性は素晴らしく、私も意識していました。

「いいんだけどね、また考えておくよ」

 コンサルティングを開始した当初先生方に私のご提案をお伝えすると、このようなことをお伝えいただくことが多かったです。帰り道で「またか」と落ち込み、「何がいけないんだろう」、「そもそもこの業種にコンサルタントは必要ないのでは」と自問自答したことを覚えています。

「医院の未来像を考えて提案しているか?」

 そのような状況の中で、当時の上司にこの言葉を一喝されました。目から鱗でした。

 当時の私は自分ができることばかりお伝えして、100人の先生がいても、毎回同じような提案を繰り返していました。(もちろん当初は内容を変えていると思っていましたが)
 
 この言葉を受け止めてから、「この医院の長所は何で、今後先生が目指したい目的地はどこなのか、そしてそれを実現した時医院はどうなっているのか」と考えるようになりました。

 その後経営相談を受ける場合、経営コンサルティングの説明はせず、
「先生の医院の長所は何ですか?」
「先生が今後目指したい目標は何ですか?」
「先生の夢は何ですか?」
など「院長先生の想い」をじっくり聴くようになりました。

 その結果、
 「スタッフの人柄ではどこにも負けないと思うよ」
 「当院の出身ですとスタッフが誇りを持てるような医院を創りたい」
 「自分が実践していることをもっと多くの人に伝えて、背中を押してあげたい」
など多くの想いをお伝えいただくようになったのです。

 特にスタッフへの想いをお伝えいただく先生が多いことに気づきました。しかし、その院長先生の想いをスタッフはほとんど知らないことに驚きました。

 さらに前述したように当時のコンサルタントや講師の方の中で、現場にいるスタッフの顔と名前を全て把握し、スタッフから話を聴き、自らも現場に立って課題を調査し、スタッフを経営に参画してもらうサポートをしている方はいませんでした。

 その結果、院長先生の目指す医院像を実現するためにはスタッフが主導する医院を作ることが近道だという仮説を立てました。

 しかし、多くのクリニックの院長先生はドクターでありながら、経営者でもあり、マネジャーでもあるという3つの役割を担当しており、毎日忙しく過ごしていらっしゃいます。

 また、スタッフは多くの患者さんへの診療サポートを通じて、「患者さんに良くなってもらいたい」「待ち時間を減らしたい」「患者さんとゆっくり会話したい」等の想いを持って、働いています。

 院長先生もスタッフも「患者さんのために」と同じ方向を向きながら、普段忙しいため、情報共有や連携ができておらず、相乗効果を発揮できていません。

 そこで、私が患者さんのために院長先生とスタッフ双方が目指す医院像を実現するために、「スタッフ主導型医院作り」をテーマに現場伴走型の支援を開始しました。

 それからというものクリニックのご支援先が増え、100医院あれば100通りの経営コンサルティングを実現できるように、日々現場に伴走しています。その経験が少しずつ自信にもなりました。

 私のクライアント先で業績と働きがいの向上を同時に実現させている医院は私が短期的に向上させたのではなく、スタッフが主導となり、長期的に医院が成長する「スタッフ主導型医院」になったため、実現しました。

 つまり、今までは院長先生一人が悪戦苦闘し、スタッフは自らの業務に取り組んでいればよいという考えから、みんなで医院を良くしようという想いを浸透させたことにポイントがあります。

 私のクライアント先は成長するたびに新たな課題が生じてきます。それでいいのです。新たな一歩は新たな課題を生みます。課題がない医院では成長がありません。 

 「先生はどのような医院を創りたいですか?」