校則を守ることの高校生の意識の変化について

2001年から2013年にかけて、校則を守るべきと思う高校生が増えています。その背景を、私なりに分析します。

まず、今から述べることは事実で、ただ、データをお示しできないことは、ご了承ください。以下、高校の現場で、実際にあったことです。

結論から言うと、校則を守らない生徒は、退学させる方が、学校の退学率は減ります。なぜなら、校則を守らない生徒が増えて、風紀が悪くなり、授業が成り立たない、勉強したい生徒が勉強できないという事態を回避できるからです。そうです。勉強したいと思う生徒の、自主退学が減るので、退学率が減るのです。実際、偏差値が低い方の学校でも、悪ぶっている生徒でさえ、本音は、先生に、きちんと引き締めてほしいと思っているのだと打ち明けます。ダルけるのではなく、本当は、自分も、きちっとしたいのだと。

以上を踏まえると、現在、価値観の多様化が進み、規律が失われそうな時代にあって、学校現場の乱れへの危惧は、真面目な生徒、また心の中ではきちんとしたい生徒の気持ちの表れなのです。だから、校則を守るべきという意識が、より高いのだと考えます。

そして、逆に、2001年頃に、校則を守るべきとの意識がより少なかったのは、あの頃は、山一證券が破綻して終身雇用と年功序列が失われようとしているとの危機感が、初めて日本社会で芽生えて間もなかったからです。社会イコール規範への当たり前に守る意識が減少して仕方なかったのだと思います。だから、校則を守るべきという意識が、2013年に比べて、より低いのだと考えます。

なお、いわゆる多様性を認めること、個人を尊重すること、それらと、ここでの守るべき校則の中身は、別次元の議論とします。なぜなら、学校により、独自色を出し、校則のユルい所もあるからです。また、校則の厳しさと、校則を守るべきとの意識の相関関係についてのデータが、ここではないからです。

また、この調査の回答数や調査方法の詳細を存じませんので、この調査結果と私の分析の関係については、一定の留保があることは、ご了承ください。


いいなと思ったら応援しよう!