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加藤昌洋 京都市会議員(京都自民の横顔 #4)

【2023年9月29日 追記】
 *議員任期や役職は、取材当時のものになります。
  変更点がある場合もありますので、ご了承ください。

学生部のインタビュー企画「京都自民の横顔」。
第4回となる今回は、自民党京都府連青年部幹事長、加藤昌洋京都市会議員に話を聞いた。

加藤昌洋 京都市会議員

京都市会議員だった父

——政治家になられたきっかけは?

父親が京都市会議員をやっていた。街中に父のポスターが貼ってあったので、小さい頃から色々なことを言われ、高校1年生くらいの頃までは政治家になろうとは思っていなかった。

大学に進学する際、法律学や政治学を選んだ。1年生の時の演習のゼミで、たまたま先輩がいたゼミが地方自治のゼミだったので自分もそこに入った。ゼミで勉強していく中で、政治という選択肢もあるんではないかと思うようになり、3年生、4年生、そして大学院までその先生にお世話になった。

誰しも公務員には固いイメージを持っていると思うが、実際に会ってみるとそうではなく、色々なことを考えておられる。公共政策を学ぶ中で、行政という組織を動かせる議員になりたいと思うようになった。

また、これという明確なきっかけがあったわけではなかったが、当時からスポーツが好きだったので、スポーツ政策の分野に力を入れたいと思っていた。

大学に通う傍ら、二之湯智事務所でインターンをしておられた

京都市のスポーツ政策

——スポーツ政策について詳しく教えてください

以前、平山先生が仰っていたように京都市は財政が厳しい。当然、京都市がスポーツ施設の整備にお金を使うことも同じく厳しい状況にある。そんな中で、どのように民間と協力して、一緒にやっていくかということを真剣に考えるべきではないかということを行政に提案している。

京都市は、サッカーJ1の京都サンガF.C.のホームタウンであるし、プロバスケットボールチームの京都ハンナリーズもある。

サンガスタジアム by KYOCERA(京都府亀岡市)

民間の企業にお金を出してもらうにしても、当然、ただやってくださいといってしてもらえることではない。宝ヶ池の整備に10億円を匿名で寄付してくださった方もいたが、これはイレギュラーなケース。収益を上げながら、行政がやろうとしているスポーツ施設整備にお金を出してくれるかということが課題。

今、京都府が運営主体となって北山アリーナを作ろうとしているが、そのような形ではなく、例えば、京都市が土地を企業に貸すという形や、京都市が土地を持ったまま、民間企業がPFIなどで資金を調達し、長期運用をして、最終的に京都市に渡すという形などやり方はいくらでもある。そういったことを考えているが、なかなか進んでいない。

サンガ議連事務局長、京都府バスケットボール協会理事を務めておられる

市バス・地下鉄の財政改革

——ほかに取り組んでおられることは?

やはり、市バス・地下鉄の運営をどうしていくかということ。報道にもある通り、運営状況は非常に厳しい。理由の一つが地下鉄東西線を二条から太秦天神川に伸ばす時に、工費がかさんでしまったこと。その借金が原因で資金不足に陥っている。そうは言っても、ここ数年は交通局の努力もあり、黒字だった。しかし、コロナ禍によって厳しい状況となってしまった。

まぢピンチ(京都市交通局経営レポートより)

京都市の努力も必要。コロナ禍の影響で通学や通勤定期の利用者が激減してしまったので、学校などへの営業回りを交通局にお願いした。また、京都サンガFCや京都ハンナリーズと連携して、スポーツ観戦をした人に市バス・地下鉄を利用してもらう仕掛けづくりをした。去年、実際に京都サンガFCの観戦チケットを持っている人が一日乗車券を購入すると、グッズの抽選に参加できるというキャンペーンを行った。京都ハンナリーズもラッピングバスや車内広告などで協力してくれた。なんとかして、新たな人の流れを生みだそうとしている最中だ。

とはいえ、京都市がいくら頑張ろうと、お金が足りない部分はある。乗客数も8割ほどしか戻っていない。資金が足りないのは明白なので、国の制度として、市バス・地下鉄を助けてほしいということを要望している。昨年11月、特例債の制度の延長を、森田守青年局長と国交省に要望し、自民党京都市議団としても、京都選出の国会議員の先生と協力しながら要望を行い、5年の延長が認められた。

その結果、地下鉄の当面の資金不足は解消されたので、運賃の値上げ回避が市長から発表された。いずれにしても、借金は残っているので、将来的には値上げを含め、検討していく必要があるだろう。乗客数がどれほど回復するのか、上澄みが出るのかなど、しっかりと議論していかなければならない。

市バス料金が均一である理由

——他県から京都に来て、市バス料金が均一であることに驚いた。行き過ぎたサービスなのではないか。

230円区間が多いのは、市バスが公共交通だからこそ。コロナ禍以前は、少ない黒字路線で赤字路線を補填するという形で運営できていた。できる限り、多くの人が同じ値段でバスを利用できるように、というのが基本的な考え方。

SNS、どこまですべきか

——若者や学生へのアプローチで何か工夫されていることはありますか?

議会事務局、教育委員会と協力して子ども議会をやっている。投票率向上のためには、義務教育課程で、政治の意思決定はどのように行われているのか、というところまで教える必要があるのではないか。

InstagramやTwitter等のSNSもやってはいるが、どこまで効果があるのかは正直なところ分からない。参議院議員など選挙区が広い場合はそれなりに効果があるだろうが、地方議員がSNSをどこまでやるべきかというのは未知数だろう。

先ほどのスポーツ施設整備の話などは特に若い世代の関心事項ではないかと思う。

加藤先生がTwitterアカウントを開設された際の森田先生のツイート

地方議会の難しさ

——最近、京都市は建物の高さ規制の緩和に動いているそうですね

京都駅南側の高さ制限が緩和されることになった。場所によって伝統的な景観の濃淡をはっきりさせるなど、他にもやれることがあるかもしれない。

地方議会では、首長にしか予算編成権がない。そのため、条例を制定するにしても、理念的な条例とするか、あるいは、市長と協力するかの二択しかない。これが地方議会の難しさだ。

途中、サッカー市場の現状についても語ってくださった

青年部世代の議員として

——青年局、青年部としての今後の展望は?

青年部は比較的若い世代で、学生との距離も近い。このnoteの取り組みも含め、青年局と学生部の交流も活発になってきている。若い世代の窓口として、学生の興味に基づいて議員をどんどん使ってほしい。京都市の施設を視察するにしても、大学の授業やゼミで行くより、議員を使った方が遥かに色んなことがしやすいだろう。

——ありがとうございました!

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