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森田守 京都市会議員 (京都自民の横顔 #1)
【2023年9月29日 追記】
*議員任期や役職は、取材当時のものになります。
変更点がある場合もありますので、ご了承ください。
学生部のインタビュー企画「京都自民の横顔」。
初回となる今回は、自民党京都府連青年局長を務める、森田守京都市会議員に話を聞いた。
民間から、秘書、そして市会議員に
——政治家を志したきっかけは?
大学卒業後から6年勤務した、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンを退職したタイミングで、二之湯智先生の最初の参議院選挙を手伝わないかと声をかけられたことが政治に関わるきっかけ。二之湯智先生の当選後は11年間秘書を務め、元々は縁もゆかりもなかった政治の世界で活動を続けるうちに、「この世界でやっていけるかもしれない」と手応えを感じていった。平成27年、右京区から京都市会議員に初当選した。
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前尾繁三郎先生との不思議な縁
——なぜ右京区からだったのですか?
たまたま自民党の公認枠に空きが出たらからというのもあるが、母親が妙心寺長興院の娘だった。この妙心寺長興院は、二之湯智先生が秘書を務めた前尾繁三郎先生が衆議院選挙に出馬される前の昭和24年から3年間、下宿されていたところでもあったので、二之湯智先生ご自身も当然出入りされていた。自分が秘書を務めてしばらく経ったあるとき、二之湯智先生から「君のお母さんはどこの人や?」と尋ねられ、「妙心寺の長興院の長女です」と答えたところ、「君、そう言われるとおじいちゃんの面影あるなぁ」と言われた。後から分かった話だが、不思議な縁を感じる。
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(二之湯智先生 機関紙「えとす」平成21年10月号より)
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民間企業の大変さを経験してから政治家に
——民間での経験、秘書での経験、それぞれどうお考えですか?
議員は有権者の代表。世襲議員がいても、民間出身の議員がいても良いと思うが、民間の感覚を持った人は、政治の世界、特に自民党には少ないように思う。民間企業にいた時は月100時間ほど残業していたし、毎週東京へ出張があったが、民間企業で培った経営の感覚は色々な場面で活きている。政治の世界は大変だとよく言われるが、自分としては、民間企業の大変さを経験してから政治家になったことは良かったと思っている。
人脈や、政治に対する考え方は秘書時代に培われた。二之湯智先生に同行する中で、自治体の首長をはじめ、京都を代表するような幅広い分野の方々にお会いすることができたのは大きな財産。また間近で二之湯智先生の政治に対する姿勢、有権者の方々への対応を学べたことは今の私の市政活動にも繋がっている。
二之湯智先生は首長をパーティーに呼ばない
——二之湯智先生はどんな方ですか?
社会の様々な課題をどのように把握して対応していくかの視点、視野が非常に広い。今でも京都市のことに関して「どうなっとるんや」と言われることがあるが、数年前、「敬老乗車証」のことに苦言を呈された。高齢者に市バス・地下鉄の定期券を渡すという制度で、始まった当初は年間予算が3億円ほどだったが、高齢化が進むにつれ、60億円近くになっている。有権者のことを考えれば、今の制度のまま残す方が良いかもしれないが、京都市の財政を考えれば、早く制度を改正しないといけないと何年も前からおっしゃっていた。京都市もずっと課題があることは認識していながら、市民理解が得られないなどの理由で、制度を見直してこなかった。結局、コロナ禍という最悪のタイミングで制度改正となったわけだが、ポピュリズムに流されることなく、市長や知事に対しても厳しく対峙していく姿勢は私自身も大変勉強になった。「国会は議員内閣制だが、地方議会は二元代表制。首長の与党があるわけではない」とよく仰っていたが、実際に二之湯智先生は市長・知事を自身のパーティーや懇親会に呼ぶことは決してされなかった。私も二之湯智先生の姿勢は見習っていきたい。
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京都市の財政健全化、必ず成し遂げる
——今現在、最も取り組んでおられることは何ですか?
やはり、京都市の財政健全化。これに尽きる。現在は、財政健全化計画に沿って財政健全化を進めている最中。今年度の令和4年度予算で一定の道筋はついた。他党やメディアは、「財政破綻するのではないか」、「無駄遣いが多いのではないか」と言うが、必ずしもそうではない。例えば、批判を受けた地下鉄の西陣織・京友禅は組合から無償で寄贈してもらったものだし、京都市本庁舎の建て替えにあたっては、京都の伝統産業の活性化を目的として、「ステンドグラス」や「京の伝統工芸誂え時計」、「漆塗りエレベーター扉」を設置したが、「漆塗りエレベーター扉」以外はご寄付いただいたものだ。なかなかこういった事実は伝わっていない。
ただ、「敬老乗車証」もそうだが、京都市は他の政令市と比べ、市民に対するサービスが手厚過ぎたというのも事実。やり過ぎていたサービスを削って、元に戻す、他都市と同等の水準にするということは必要ではないか。また、京都市は人件費が高過ぎるのではないかとも思う。人件費の指標としてラスパイレス指数というものがあるが、国家公務員の人件費を100としたとき、京都市の人件費は101。東京に視察へ行った際、財務省の方から「京都市は、国に対して様々な予算要望をする前に、人件費を見直さなければ国としても支援がしにくい」と言われたことがある。
それでも、財政健全化への一定の道筋はついた。京都市は、歳出上限を令和3年度に4600億円に定めたが、令和4年度予算では4530億円まで、大きく減らすことができた。また、歳入に関しても、令和3年度は4360億円だったが、令和4年度は4415億円だった。歳出をこれ以上増やさず、歳入を増やしていくことで黒字化することができるだろう。これが財政健全化は可能という根拠。
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今後とも自民党京都市議団としても、財政健全化に向け、京都市に言うべきことは言うつもり。財政健全化は必ずやり遂げる。
青年局居酒屋座談会の復活!?
——最後に、青年局の今後の展望は?
まずは青年政治大学校だが、懇親会をもっとやりたい。コロナ禍でなかなか難しいかもしれないが、青年局の役員の地元で、持ち回りでやっていた居酒屋座談会を復活させたい。青年局は学生や若い人たちの集まり。政策や議論も大事かもしれないが、色んな人の話を楽しく聞くというのも勉強だと思う。
——ありがとうございました!